研究課題/領域番号 |
20K23225
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0908:社会医学、看護学およびその関連分野
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
林 佑太 神戸大学, 保健学研究科, 助教 (70882166)
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研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 認知行動療法 / 看護師 / 臨床実践 / 日常臨床 |
研究開始時の研究の概要 |
認知行動療法の普及は、本邦の精神医療の適正化における喫緊の課題である。近年、看護師が認知行動療法の普及に貢献する職種として期待されているが、その実施率は低い。本邦の認知行動療法の動向を踏まえると、普及に向けては実施者の日常臨床を考慮した方策の検討が必要となる。しかし、これまで看護師の認知行動療法に関連する日常臨床の実態は明らかになっていない。そこで本研究では、認知行動療法を学習・実践している看護師を対象に、各実施段階に応じたインタビュー調査を行い、看護実践での認知行動療法の実施を阻害する具体的要因とその対処方法を明らかにし、看護師の認知行動療法を効果的に普及するための方策を検討する。
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研究実績の概要 |
認知行動療法は、様々な精神疾患への効果が示されている精神療法の一つである。しかしながら本邦では普及が進んでいないことが指摘されている。近年では、看護師が普及に貢献できる職種の一つとして期待されており、医師と看護師の協働による認知行動療法が保険点数化されているが、その実施率は低い現状にある。そこで本研究では、認知行動療法の学習や実践に取り組んでいる看護師を対象にインタビュー調査を行い、看護実践での認知行動療法の実施を阻害する具体的要因とその対処方法を明らかにすることを目的とする。本研究により、看護師が認知行動療法を日常臨床に導入するための効果的な方策を検討できると考える。 2023年度は、外来や病棟で認知行動療法を実施している看護師12名(男性8名、女性4名)から得られたインタビューデータをもとに、看護師が認知行動療法の学習から実践する過程で直面する困難と、それらの困難に対する取り組みや認知行動療法の実践に関して日常的に意識して行っていることなどを中心に分析を進めた。対象者のうち、8名が現在認知行動療法を実施しており、4名が過去に実施したことがあった。多くの対象者が認知行動療法を新たに始める際に周囲からの理解を得ることに困難を感じており、また、実践を始められたとしてもタイムリーかつ継続的な助言・指導を得られる環境が整備されていないと感じていた。その一方で、これらの困難に対し、日頃から同僚の看護師や医師らとコミュニケーションを意識的にとり関係性を構築しておくことや、学会や研修などで得られた認知行動療法を実践する看護師のネットワークを活用し助言や指導を受けるといった工夫をしている対象者もいた。2024年度は、必要に応じて追加インタビューを進めつつ、分析を完了し、成果発表を行う予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
大学教員としての業務に関するエフォートならびに育児時間が増加したため、分析に要する時間を確保することが困難となり、当初の予定よりも遅れている。次年度は様々な調整を行いながら、より計画的に研究を遂行できるようにする。
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今後の研究の推進方策 |
各所との調整を行いながら計画的にデータ分析を行う時間を設け、成果発表まで到達できるように進めていく。
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