研究課題
研究活動スタート支援
思春期・若年成人世代がん患者の生殖機能・妊孕性に関する情報ニーズは高い一方で、がん治療前に実際説明を受けた患者の割合は低い。本研究では、治療開始前に医師が患者に対し「治療による生殖機能への影響と妊孕性温存」に関する説明を行う際の阻害要因と促進要因を明らかにし、各要因を踏まえ医師による患者への説明を多職種で実施促進する資材を開発することを目的とする。本研究により、医師と多職種チームが使用可能な共通の「治療による生殖機能への影響と妊孕性温存」に関する説明促進資材が開発されることにより、患者が治療前に十分納得される説明を受け意思決定が促進され、患者のQOLの向上、医師の負担軽減が期待される。
2020-2021年度前半、思春期若年成人世代がん患者の診療に関わる医師16名、看護師4名、思春期若年成人世代がん患者10名に対しインタビュー調査を実施した。2021年度後半から2022年度にかけて30名分のインタビューの逐語録から、4名の解析者で実装研究統合フレームワークであるConsolidated Framework for Implementation Research (CFIR)に基づいた解析を行った。解析結果から、医療者における治療による生殖機能への影響と妊孕性温存に関する説明の阻害促進要因が明らかとなり、妊孕性ケアに関する患者の意向が明らかとなった。
先行研究でAYA世代がん患者のニーズや実態調査が行われているが、話し合いを促進するための解決策は世界的にも提案されていない。本研究は患者に対する説明の際の阻害促進要因に着目し、医療者と患者を対象とした調査により要因を踏まえた説明促進資材を開発する点で学術的意義が高いと言える。本研究の成果により妊孕性ケアの阻害促進要因と患者の意向が明らかとなり、説明とケアを促進する患者側と医療者側への介入開発に繋がっている。第4期がん対策推進基本計画のがん医療分野の目標の一つである妊孕性温存療法に関する提供体制の充実に向け、患者の意向に沿った妊孕性ケアを届けるための取り組みに貢献する。
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すべて 雑誌論文 (9件) (うち国際共著 1件、 査読あり 6件、 オープンアクセス 4件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 1件)
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