研究課題/領域番号 |
20K23256
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0909:スポーツ科学、体育、健康科学およびその関連分野
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研究機関 | 琉球大学 |
研究代表者 |
上條 中庸 琉球大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (30757555)
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研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 幼少期ストレス / 母子隔離 / 排尿機能 / 膀胱 / 排尿 / 神経可塑性 / 低出力体外衝撃波 / ラット |
研究開始時の研究の概要 |
ネグレクトや虐待等の幼少期ストレスは,大脳機能に構造的変化を与え,排尿機能障害をもたらすことが知られている。例えば,心的外傷後ストレス障害(PTSD)は,夜尿・尿失禁等の排泄障害を誘発する。本研究では,幼若期のストレスモデルとしてラットの生後間もない仔を母親から一時的に引離す母子隔離モデルを用い,ストレスによる海馬,下部尿路機能障害の新たな疾患発症機序の解明を目指す。また,近年着目されている排尿機能の自己再生を高める非侵襲的な手法である低出力体外衝撃波による治療と、ホルモンバランスフィードバックと神経可塑性を利用した下部尿路機能障害治療・ストレス対策の確立につなげる。
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研究成果の概要 |
子どものネグレクトや虐待などのストレス経験は脳(中枢)だけではなく、腸や膀胱など排泄機能(末梢)の障害に関わり、全身性の影響は成長後も続く。本研究では、母子隔離の影響が排尿機能と行動へ与える影響について離乳直後と成熟期で検証した。母子隔離の影響によって、対照群に対して幼少期と成長後で活動性が逆転し、成長後には不安に対して鈍化することが分かった。排尿機能としては、幼少期には尿生成量、1回排尿量は減少するが、成熟期にはそれらの機能は正常のものと同等に回復した。しかし、排尿間隔が短くなることが明らかとなった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の成果の学術的な意義は次の3点である。(1)幼少期のストレスは膀胱を含めた排尿機能へ影響を与えることを示した。(2)ストレスによる排尿機能障害は成長に伴って一部回復するが影響は残ることを明らかにした(3)幼少期ストレスは行動にも影響し、成長後、不安に対して鈍化することを示した。これらの結果は、幼少期のストレスは中枢・末梢両方へ影響し、成長に伴い作用が変化する点と、今後実施予定である末梢の排尿機能の治療が中枢へ与えるであろう可能性に社会的意義があると考える。
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