研究課題/領域番号 |
20K23265
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0909:スポーツ科学、体育、健康科学およびその関連分野
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研究機関 | 東洋大学 |
研究代表者 |
高鶴 裕介 東洋大学, 食環境科学部, 教授 (30446265)
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研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 食の嗜好性 / 脳機能 / fMRI / fNIRS / 食嗜好性 / 嚥下機能 / 嗅覚嗜好性 |
研究開始時の研究の概要 |
超高齢社会において嚥下機能低下による摂食障害、誤嚥性肺炎の増加は大きな医療問題の一つである。申請者はこれまで、嗜好性を考慮した練習食により嚥下機能が改善した一例を経験した。本研究課題は、この経験をもとに、嗜好性を考慮した嗅覚刺激による脳機能及び身体機能の賦活効果を検証するものである。前期高齢者を含む健常ボランティアに対し、嗅覚嗜好試験、fNIRS検査などを行い嗅覚刺激による脳機能、ホルモン動態、嚥下機能の変化などを検証する。この研究成果を基に、様々な基礎疾患を有する軽度嚥下障害被検者に対する嗜好性嗅覚刺激の効果を検証する予定である。
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研究成果の概要 |
食の嗜好性と脳機能の関連性を研究するため、健常ボランティアを対象としてfMRIおよびfNIRSの実験を行った。嗅覚の感受性は女性の方が有意であり、男女とも年齢依存的に機能が低下する。その性差及び年齢依存的な機能変化は特に、内側前頭前皮質-角回の機能的結合性の関与が大きいことをfMRIの実験で示した。また、fNIRSを用いた研究では、居住環境(家族と同居か独居か)や普段の食の嗜好性(濃い味が好きか薄い味が好きか)によって喫食時の前頭葉機能に差異がある可能性が示唆された。今後、fNIRSの実験を対象者を拡大して継続していく予定である。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまで、生活習慣病の治療における栄養療法において、食の嗜好性は考慮されていない。特にストレスホルモンの変化を考慮したとき、嗜好性による脳機能の差違が起こることは予想できる。しかしながら、それによる全身影響までは研究されつくしているとは言えない。本研究成果の発展により、食の嗜好性と脳機能を関連を考慮した栄養指導法の開発が期待でき、それによる栄養療法実施時のQOLの向上が期待できる。
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