研究課題/領域番号 |
20K23275
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0909:スポーツ科学、体育、健康科学およびその関連分野
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研究機関 | 京都華頂大学 |
研究代表者 |
林 育代 京都華頂大学, 現代生活学部食物栄養学科, 准教授 (30878517)
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研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 産後うつ / 妊娠性貧血 / 低炎症食 / 食事性炎症指数(DII) / 高炎症食 / DIIスコア / 妊娠期食生活 / 貧血関連遺伝子 / 社会経済的状況 / 予防介入 / 産後 / 栄養代謝関連遺伝子 |
研究開始時の研究の概要 |
産後うつ病は10~15%という高頻度で発症するとされ、育児困難や乳児虐待、母親の自死にもつながる可能性がある。 我々の研究は、『妊娠期に産後うつを阻止する』ことを目標に、妊婦ひとり一人が異なる体質や環境にあることを前提とし、『変更可能な要因』として妊娠期の食生活に注目している。 多様な要因の中で、1;妊娠期の食品摂取・食生活の違い、2;遺伝的な個体差、3;社会経済的な状況の3つを、産後うつを誘導する大きな要因と位置づけ、産後うつの予防介入に向けた効果的な妊娠期の食生活のあり方を明らかにすることを目指す。
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研究成果の概要 |
妊婦一人ひとりが異なる体質と環境にあることを前提として、妊娠期から産後うつを予防するための『変更可能な要因』として食生活のあり方に着目し研究を進めた。本対象は、産後うつと社会経済状況(収入や学歴)に関連がない集団であった。本研究の主要な発見は、①産後うつと妊娠性貧血が関連していたこと、②妊娠性貧血と鉄をはじめとする栄養素レベルの摂取量には差がなかったこと、③ヘモグロビンの低さと食事性炎症指数の高さに関連があったこと、④妊娠糖尿病では妊娠性貧血になる傾向がさらに強いこと、⑤ヘモグロビン値に対しTMPRSS6遺伝子のrs2235321が特定されたこと、である。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
妊娠性貧血を予防することが産後うつの軽減につながる可能性がある。貧血予防・緩和の食事は鉄摂取だけでなく、総合的に低炎症型の食事が効果的かもしれない。 本研究の新規性は、食事の評価指標としてdietary inflammatory indexを用いたこと、ヘモグロビン低値と高炎症型の食事との関連を見出したことにある。妊娠性貧血の予防には、鉄分摂取量に注意するだけでなく、低炎症型の食事組成(低脂質、低飽和脂肪酸、抗酸化ビタミン・ミネラルの摂取)を考慮すべきである。この発見は、貧血予防のための食事指導において新しいエビデンスとなる可能性がある。
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