研究課題/領域番号 |
20K23289
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0909:スポーツ科学、体育、健康科学およびその関連分野
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
内田 晃司 信州大学, 医学部, 助教(特定雇用) (10876973)
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研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 脳血流 / NIRS / セントラルコマンド / 認知機能 / 最大酸素摂取量 / 高齢者 / 認知症 / 運動 |
研究開始時の研究の概要 |
我々の教室では、高齢者を対象に最近、「インターバル速歩」による体力(最高酸素摂取量)向上が認知機能を改善する結果を得た。さらに、体力が高い高齢者では、カウントダウンによる自発性運動開始時に、まだ運動を開始する前にもかかわらず中大脳動脈血流量が増加することを明らかにした。 一方、申請者は米国留学で中大脳動脈血流量の変化が前額面近赤外線プローブ信号強度の変化と比例する結果を得た。 そこで、本研究ではカウントダウンによる自発運動開始時の近赤外線プローブ信号から高齢者の認知機能を評価するシステムを開発する。このシステムを用いれば大勢の高齢者を対象に容易に認知機能スクリーニングが可能となる。
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研究成果の概要 |
本研究は、自発運動開始時の近赤外分光法(NIRS)による前額部の組織酸素飽和度の変化が、脳血流変化を反映するか否かを検証することを目的とした。 若年者および高齢者において、自発運動開始時の前額部の組織酸素飽和度の変化をポータブル型と従来の据え置き型のNIRSで、中大脳動脈血流変化を経頭蓋超音波ドップラー法により測定した。その結果、自発運動開始時に、中大脳動脈血流の上昇に続き、前額部組織酸素飽和度が上昇し、両者の間に正の相関を認めた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の学術的意義は、自発運動開始時の脳血流反応と脳組織酸素化の反応に関連があることを確認した点である。これにより、従来高度な手技が必要であった脳血流の測定にかわり、前額部で簡単に測定可能なNIRSによる自発運動開始時の反応の測定に代替できる可能性を示した。 本研究の社会的意義は、新たな認知機能スクリーニング方法の開発への可能性を開いた点にある。早期の認知機能低下のスクリーニングと介入により、症状の緩和もしくは可逆的な変化を起こすことが可能なことが分かってきている。本研究が将来的に早期認知機能低下に対する簡易スクリーニングの開発につながれば、今後増加する医療費の抑制に寄与する可能性を有する。
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