研究課題/領域番号 |
20K23290
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0909:スポーツ科学、体育、健康科学およびその関連分野
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研究機関 | 神戸学院大学 (2021) 長崎大学 (2020) |
研究代表者 |
大賀 智史 神戸学院大学, 総合リハビリテーション学部, 助教 (50882437)
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研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 不活動 / 筋痛 / 骨格筋電気刺激法 / NGF / マクロファージ / 筋萎縮 / 不活動性筋痛 / B-SES / 炎症型マクロファージ |
研究開始時の研究の概要 |
不活動性筋痛は運動器慢性疼痛の発生要因として直接的に関与している可能性があることから,その発生予防も含めた介入戦略の開発は喫緊の課題である.申請者の先行研究では,不活動性筋痛の発生メカニズムに関わる末梢機構には炎症型マクロファージの集積が重要事象として寄与することが明らかになっており,他の先行研究では,骨格筋の不活動で生じる炎症型マクロファージの集積は筋核のアポトーシスが影響するという.つまり,これらのメカニズムから紐解いた介入戦略の開発が必要であり,具体的には骨格筋電気刺激を活用した筋収縮運動が効果的と考えられ,本研究では生物学的機序も含めて介入効果を解明し,効果的な刺激条件の提示を目指す.
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研究成果の概要 |
本研究はメカニズムに基づいた不活動性筋痛の介入戦略を開発することを目的とし,近年開発されたベルト電極式骨格筋電気刺激(B-SES)の不活動性筋痛に対する効果を2つの刺激条件で検討した.その結果,どちらのB-SES刺激条件も不活動性筋痛を軽減し,この機序には骨格筋内のNGFの発現抑制が関与することが示唆された.しかし,一方のB-SES刺激条件でのみ筋萎縮やマクロファージの集積に効果を認めたことから,筋萎縮の進行抑制の有無に関わらず,骨格筋への頻回な刺激入力が不活動性筋痛の軽減効果に作用しているのではないかと推察される.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
不活動性疼痛の存在が初めて報告されたのは約20年前であり,以後,基礎・臨床研究の双方で不活動性疼痛の病態や発生メカニズムの解明が進み,その存在は疼痛医学領域では周知の事実となった.特に骨格筋に発生する不活動性筋痛の知見は申請者が近年報告したものであり(Oga S, et al.: Muscle Nerve 61, 2020),そのメカニズムに基づいた介入戦略を考案し,得られた本研究成果は学術的意義が高いといえる.また,不活動性筋痛に対する有効な介入戦略は確立されていないため,不活動性筋痛に苦しむ患者に対する新たなリハビリテーション戦略を提供するという観点からも社会的意義が高いと考える.
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