研究課題/領域番号 |
20K23307
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0909:スポーツ科学、体育、健康科学およびその関連分野
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研究機関 | 福岡国際医療福祉大学 |
研究代表者 |
吉塚 久記 福岡国際医療福祉大学, 医療学部, 講師 (00879942)
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研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 踵腓靭帯 / 足関節外側靭帯 / 肉眼解剖学 / 機能解剖学 / 臨床解剖学 |
研究開始時の研究の概要 |
最も一般的なスポーツ傷害である足関節外側靭帯損傷の中で、踵腓靭帯損傷の合併例は関節不安定性が残存する傾向にある。そのため、再建術や損傷予防の観点から、踵腓靭帯の形態と機能を正しく理解することは重要である。肉眼解剖学の先行研究は、踵腓靭帯の走行角度・靭帯長・靭帯幅における多様性の存在を明らかにしており、この形態的多様性は機能的個体差をもたらすと推察されている。しかし、これまで実際の解剖体の関節運動を対象として踵腓靭帯の形態的多様性と機能的個体差の関係を検討した研究はない。本研究の目的は、解剖体と機能解剖学的な解析手法を用いて、多様な踵腓靭帯の形態が機能に及ぼす影響を明らかにすることである。
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研究成果の概要 |
踵腓靭帯(CFL)の走行角度の違いが靭帯機能に及ぼす影響を検討するために、解剖体、慣性センサ、および伸縮性ひずみセンサを用いた機能解析を実施した。対象とした33肢のCFLの走行角度は15~60度であったため、20・30・40・50・60度の標本を抽出し、関節角度を3軸で正確にモニターしながらCFLの緊張度を計測した。 走行角度とは無関係に、全ての標本に共通してCFLは背屈位と内がえし位では緊張し、外がえし位と内転位では弛緩した。一方、底屈位では、走行角度20・30・40度のCFLは弛緩したのに対し、50・60度のCFLは緊張したことから、走行角度の違いが異なる機能をもたらすことが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
CFLの走行角度の違いが靭帯機能に影響を及ぼすことは、靭帯が制動できる関節運動が異なるだけでなく、靭帯損傷のリスクを高める肢位にも個体差が存在することを示唆する。この知見は、靭帯損傷メカニズムのさらなる理解、靭帯再建術、あるいは損傷予防のリハビリテーション医学に貢献する有用な基礎データとなり得るものと考えられる。
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