研究課題/領域番号 |
20K23324
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
1001:情報科学、情報工学およびその関連分野
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
早川 諒 大阪大学, 基礎工学研究科, 助教 (30880637)
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研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 圧縮センシング / 最適化 |
研究開始時の研究の概要 |
画像処理や無線通信などの信号処理の分野で多くの応用例がある劣決定線形逆問題に対して,凸最適化に基づくアプローチが有効であることが知られている.このようなアルゴリズムには人手で調整する必要のあるパラメータが含まれており,このパラメータの選択がアルゴリズムの性能に大きな影響を与える. そこで本研究では,最適解の誤差を解析するための従来の手法を応用して最適化アルゴリズムの暫定解の誤差を解析し,パラメータの影響を理論的に調べることを目的とする.さらに,その解析結果を用いて誤差を最小にする最適なパラメータを求め,人手によるパラメータ調整の必要のないパラメータフリーな最適化アルゴリズムの開発を試みる.
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研究成果の概要 |
圧縮センシングなどの劣決定線形逆問題に対して最適化に基づくアルゴリズムが多数提案されているが,そのようなアルゴリズムには人手で調整する必要のあるパラメータが含まれていることが多い.本研究では,圧縮センシングに対する交互方向乗数法やDouglas-Rachfordアルゴリズムなどの手法の推定誤差を解析した.また,雑音分散が未知の場合にも解析結果を応用できるようにするため,未知の雑音分散を理論解析結果に基づいて推定する手法を開発した.上記の結果を用いると,アルゴリズムの推定誤差を小さくする妥当なパラメータの値を理論解析結果に基づいて決定できる.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
圧縮センシングは様々な応用例をもつ情報処理技術の一つとなっていることから,圧縮センシングアルゴリズムの漸近的特性を数理的に明らかにした本研究の成果は学術的に重要な意義をもつ.また,一定の仮定のもとではあるものの理論的に妥当なパラメータの設計指針を示したことで,圧縮センシングを実際の問題に応用する際の手間を減らすことができるようになったと考えられる.今後の方向性として,理論解析に基づく圧縮センシングアルゴリズムの開発や圧縮センシング以外の問題への拡張などの新たな展開も期待できる.
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