研究課題/領域番号 |
20K23327
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
1001:情報科学、情報工学およびその関連分野
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
小寺 雄太 岡山大学, 自然科学学域, 特任助教 (70880623)
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研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 暗号学的擬似乱数 / Blum-Micali法 / 並列化 / 並列乱数生成法 / Gauss周期 / 擬似乱数生成器 / 並列生成法 / ガウス周期 / 統計的検定 |
研究開始時の研究の概要 |
あらゆる情報セキュリティ技術において,攻撃者から情報を攪乱しつつ,保護するための要素技術の一つとして,乱数が広く利活用されている. 本研究では種々ある乱数生成法の中でも,擬似乱数生成器と呼ばれる確定的な計算に基づく方式に焦点をあて,暗号用途を想定した生成器を提案・評価することを目的としている. より具体的には,現代のストリーム暗号をはじめ様々な擬似乱数生成器の基礎を築いたBlum-Micali法に原点回帰し,ガウス周期と呼ばれる有限体上の特殊な周期構造を新たに取り入れることで,体系的な並列生成法を提案する. また,統計的乱数性検定ツールなども適宜活用しつつ,提案法の評価を実施していく.
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研究成果の概要 |
本研究はあらゆる分野において利活用されている乱数生成法について焦点を当て、各種提案されている手法の中でも暗号用途に適しており、その安全性が数学的に証明されているBlum-Micali法とよばれる手法を並列化、実用化を目指したものである。研究期間を通して、従前と同様に数学的安全性を根拠としつつ、並列生成可能なアルゴリズムの開発に成功した。また、その実装評価を行った結果、統計的に高い乱数性を有していると期待できることがわかった。また、乱数性評価の過程で、従来では発見されていなかった新たな知見をえることができ、偏りの少ない乱数生成に必要な特性を明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究で焦点を当てたBlum-Micali生成器は数学的に安全性が証明できることから非常に重要な位置づけとされている一方で、効率性の面で他の乱数生成器に後れをとっており、これまで実用性がないとされてきた。しかし、本研究ではその数学的構造を見直すことで並列化を行い、高い乱数性を有することを示した。このような試みは先行研究でも例を見ておらず、学術領域の新規開拓という意味でも有意義なものであると考えている。また、現在社会的に利用されている乱数生成器の多くは数学的な安全性によらないものが多く、本研究成果をより効率化し同等のスループットを達成することができれば有用性の高いものになると期待している。
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