研究課題/領域番号 |
20K23347
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
1002:人間情報学、応用情報学およびその関連分野
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研究機関 | 前橋工科大学 |
研究代表者 |
赤間 章英 前橋工科大学, 工学部, 講師 (00847733)
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研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 臨場感 / バーチャルリアリティ / 事象関連電位 / ワーキングメモリ / 質感 |
研究開始時の研究の概要 |
VR技術に関して、自身がその場にいると感じる、臨場感を向上させる技術研究は盛んに行われているが、脳波を用いて、臨場感に関わる認知処理を特定する研究は殆ど行われていない。本研究は、仮想空間内に配置される3次元立体の現実的な表現に注目して、立体の形態の緻密さと反射光の滑らかさが臨場感に与える影響を、主観評価と記憶成績から確かめ、記憶課題時の脳波から臨場感に関与する認知処理を明らかにすることを目的とする。
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研究成果の概要 |
本研究では、仮想空間の現実的表現が臨場感に与える影響を確かめるために、一対比較法による主観評価に加えて、臨場感の高さが課題成績に影響する記憶課題を行ない、記憶課題時の脳波事象関連電位から臨場感に影響する認知処理に注目した。実験の結果、主観評価より現実の空間に近い、多面形態で高階調反射の立体からなる仮想空間の方が、臨場感を得られることが明らかとなった。しかしながら、記憶課題の成績および脳波事象関連電位においては、仮想空間の現実的表現の影響は確認できなかった。これらは、仮想空間の現実的表現は主観的な臨場感に影響するものの、仮想空間の記憶に与える影響はあまり大きくない可能性を示すと考えられる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまで仮想空間の臨場感に関する研究は、臨場感向上のための技術研究が主で、臨場感に関連する神経活動に注目した研究は少なかった。今回の研究により、仮想空間の形態および光学表現が現実に近い場合に、主観的な臨場感が増すことが明らかとなった。一方で、仮想空間の形態および光学表現が仮想空間の立体に対する記憶成績および神経活動に与える影響は見られなかったことから、仮想空間の現実的表現が記憶に与える影響はあまり大きくない可能性が示された。したがって、記憶成績・臨場感・視覚認知の関連性を明らかにするためには、視覚表現以外も検討する必要性が示された。以上の点で、本研究は学術的な意義があったと考えられる。
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