研究課題
国際共同研究加速基金(帰国発展研究)
本研究にて史上初めて衝突型加速器(コライダー)を用いてニュートリノ研究を行う。世界最大のコライダーであるCERNの大型ハドロンコライダーLHCを用いることにより、過去の加速器実験より一桁高いTeV領域の高エネルギーフロンティアを開拓する。2022年からのデータ取得で約10000事象のニュートリノ反応を見込み、3世代それぞれのニュートリノの生成・伝搬・相互作用をまったく新しい運動学的レジームで解明する。
国際共同研究LHC-FASER実験は史上初めて衝突型加速器を用いてニュートリノ研究を行う。本年度はデータ取得の初年度であり、3つの期間に分けてそれぞれFASERnu検出器の日本でのエマルジョン検出器の製作・CERN(ジュネーブ)でのアッセンブリ・データ取得・現像処理を行った。CERNのエマルジョン検出器ファシリティーは改装され、千葉大学は新たに検出器アッセンブル治具、現像時間コントロール、乾燥設備等に貢献した。千葉大学のスタッフ・学生が現地にて参加し、初のデータ取得の試みであったが、予定していた3回とも問題なく行うことが出来た。現像後のエマルジョン検出器は日本に持って帰り、名古屋大学の飛跡読み取り装置を用いて読み出しを行った。我々は特に運動量測定・レプトン同定を担当し、学生を中心に解析のためのアルゴリズムを作成している。解析は現在進行中であるがすでに電子ニュートリノ反応候補等を検出し、Moriond EW 2023等の国際会議で発表している。さらにFASERのエレクトリック検出器を用いてLHCからのニュートリノの検出を16シグマの統計的優位で報告した。今後データ解析を加速させると共に2025年度までデータ取得を継続する。本年度関連する4本の論文が公開、1本がアクセプトされている。国際共同研究NA65/DsTau実験はタウニュートリノの生成を研究する実験であり、FASER実験をサポートするデータを提供する。DsTauも本年度9月にデータ取得をCERN-SPSにて行った。関連する1本の論文がアクセプトされた。高輝度LHCを用いた将来計画(FPF)の推進を行なった。
すべて 2023 2022 2021 その他
すべて 国際共同研究 (12件) 雑誌論文 (9件) (うち国際共著 5件、 査読あり 7件、 オープンアクセス 4件) 学会発表 (30件) (うち国際学会 8件、 招待講演 4件) 図書 (1件) 備考 (4件)
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