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糖尿病性腎症をモデルとした血管内皮細胞分泌因子による上皮細胞障害機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 20K23381
研究種目

国際共同研究加速基金(帰国発展研究)

配分区分基金
審査区分 医歯薬学
研究機関岡山大学

研究代表者

中山 雅敬  岡山大学, 研究推進機構, 教授 (70740918)

研究期間 (年度) 2021-03-12 – 2024-03-31
研究課題ステータス 交付 (2022年度)
配分額 *注記
55,900千円 (直接経費: 43,000千円、間接経費: 12,900千円)
キーワードポドサイト / 血管内皮細胞 / 腎臓 / ephrin-B2 / EphB4 / 糖尿病性腎症 / 分泌因子 / カルシウムシグナリング / 糸球体
研究開始時の研究の概要

これまで、高血糖によって引き起こされる糖尿病合併症は、動脈硬化症が微小血管で起こり、微小循環が滞ることによって引き起こされる臓器の機能障害と考えられていた。しかし、我々がこれまでに明らかにした結果は、高血糖の下流で血圧の制御とは別に内皮細胞から分泌される因子があり、その過剰供給が糖尿病性腎症につながるということを示している。本研究ではこのメカニズムを明らかにし、糖尿病性腎症治療法の確立を目指す。

研究実績の概要

糖尿病は慢性腎臓病の主要な原因であるが、糖尿病患者は腎臓の濾過機能が徐々に低下し腎不全に至り、最終的に1回4時間、最低週3回人工透析を受け入れなければならない。透析は日常生活を大きく制限するのみならず、患者自身の体力的負担も大きい。また、近年透析治療に関係する不幸な事案が報道され、社会的関心も高まっている。これらのことから、低下した腎機能をコントロールし透析導入を回避することの重要性は明らかである。血液中の不要物の濾過は、腎臓の糸球体が担っている。高血糖により血管内皮細胞機能不全が起こり、糖尿病性細小血管障害が惹起され、循環障害による臓器の機能不全が引き起こされると考えられている。腎臓では、高血糖による血管内皮細胞機能不全は、ポドサイトの細胞内骨格のリアレンジメントを起こし、足突起の退縮およびスリット構造の大幅な変化を経て、濾過機能の低下を招くと考えられている。結果として糸球体の不可逆的な損傷を引き起こし腎障害につながる。これらのことは、糸球体血管内皮細胞とポドサイトが互いにコミュニケーションを取っていることを示唆している。ポドサイトから分泌されたVEGFが糸球体血管内皮細胞の恒常性の維持に重要であることが知られる一方、糸球体内皮細胞によるポドサイト恒常性維持のメカニズムは全く知られていなかった。わたしたちは、血管内皮細胞に発現する膜貫通型リガンド分子ephrin-B2の細胞内ドメインの一部がカルシウムシグナルの下流でカルパインによって切断され、エクソゾームのような細胞外小胞に乗って分泌され、糸球体内のポドサイト上の受容体EphB4に結合し、スリット膜の安定性に寄与するタンパク質nephrinを制御していることを見出した。本研究成果をまとめ、論文投稿中である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本研究成果をまとめ論文投稿中であるが、リバイス実験で当初予想していなかった実験を要求され、対応している。また、これまでの研究成果を腎臓学会などで発表し好評を得ている。

今後の研究の推進方策

ephrin-B2の分泌阻害剤を同定する実験が大きな進捗を見せている。これらの実験結果から得られる知見に加えて、上記の知見を組み合わせることで今後の研究成果をより価値のあるものにしていきたいと考えている。

報告書

(2件)
  • 2022 実施状況報告書
  • 2021 実施状況報告書
  • 研究成果

    (7件)

すべて 2022 2021 その他

すべて 国際共同研究 (4件) 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件) 産業財産権 (2件) (うち外国 2件)

  • [国際共同研究] Washington University School of Medicine(米国)

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [国際共同研究] Max Planck Institute/Lead Discovery Center/Marburg University(ドイツ)

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [国際共同研究] AstraZeneca(スウェーデン)

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [国際共同研究] Nagoya University/Kyoto University(日本)

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] 降圧非依存的なカルシウムチャネル拮抗薬の腎保護作用について2022

    • 著者名/発表者名
      中山雅敬
    • 学会等名
      第52回日本腎臓学会西部学術大会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 国際学会 / 招待講演
  • [産業財産権] Antisense-Oligonucleotides for prevention of kidney dysfunction promoted by endothelial dysfunction by ephrin-B2 suppression2022

    • 発明者名
      Masanori Nakayama, Takao Hikita
    • 権利者名
      Max Planck Society
    • 産業財産権種類
      特許
    • 出願年月日
      2022
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 外国
  • [産業財産権] Antisense-Oligonucleotides for prevention of kidney dysfunction promoted by endothelial dysfunction by ephrin-B2 suppression2021

    • 発明者名
      Masanori Nakayama, Takao Hikita
    • 権利者名
      Masanori Nakayama, Takao Hikita
    • 産業財産権種類
      特許
    • 出願年月日
      2021
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
    • 外国

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公開日: 2021-03-19   更新日: 2023-12-25  

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