研究課題/領域番号 |
20KK0001
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研究種目 |
国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(B))
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分1:思想、芸術およびその関連分野
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
長岡 龍作 東北大学, 文学研究科, 教授 (70189108)
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研究分担者 |
岡田 雅彦 奈良県立橿原考古学研究所, 調査部調査課, 主任研究員 (50470282)
大島 幸代 大正大学, 文学部, 専任講師 (60585694)
加島 勝 大正大学, 文学部, 特任教授 (80214295)
岡林 孝作 奈良県立橿原考古学研究所, その他部局等, 副所長 (80250380)
泉 武夫 東北大学, 文学研究科, 名誉教授 (40168274)
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研究期間 (年度) |
2020-10-27 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
18,720千円 (直接経費: 14,400千円、間接経費: 4,320千円)
2023年度: 4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2022年度: 6,110千円 (直接経費: 4,700千円、間接経費: 1,410千円)
2021年度: 6,630千円 (直接経費: 5,100千円、間接経費: 1,530千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 舎利信仰 / 器 / 舎利容器 / 奉献容器 / 仏塔 / サンチー / ソナリ / 石函 / 仁寿舎利塔 / 西域北道 / 西域南道 / 覆斗形 / 棺形 / 北インド |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は宗教的な「器」を、北インドから西域を通り中国中原に至る地域において、1)器形と内容物、2)器の装飾形象、3)用途と納置法の三点から調査研究し、Ⅰ.かたちは各地域の習俗・信仰をどのように反映しているか、Ⅱ.分布と偏差にはどのような意味があるかを明らかにしようとするものである。そのため美術史学と考古学の研究者が西北大学文化遺産学院との国際共同研究をおこなう。これにより、1)従来の未踏地域での新たな発見、2)新しい方法論の共同研究モデルの構築、3)新しい研究ネットワークによる様々な情報発信、4)古代日本文化研究に対する新しい研究視座の提供、5)中国でのわが国の知的プレゼンスの向上をはかる。
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研究実績の概要 |
本研究は宗教的な「器」を、北インドから西域を通り中国中原に至る地域において、1)器形と内容物、2)器の装飾形象、3)用途と納置法の三点から調査研究し、Ⅰ.かたちは各地域の習俗・信仰をどのように反映しているか、Ⅱ.分布と偏差にはどのような意味があるかを明らかにしようとするものである。 第3年度にあたる2022年度は、ヨーロッパにおける関連調査をおこなった。調査先は、リートベルク美術館(スイス・チューリッヒ)、バウアー財団美術館(ジュネーヴ)、大英博物館・ヴィクトリア&アルバート美術館(ロンドン)、アシュモリアン美術館(オックスフォード)である。リートベルク美術館では唐代棺型舎利容器、バウワーファンデーション美術館では十二世紀中国の木造菩薩坐像、平安時代二十八部衆像、アシュモリアン美術館では十二世紀中国の木造菩薩倚像、ヴィクトリア&アルバート美術館、大英博物館(ロンドン)では、インドサンチー・ソナリ・サッダーラ・ボジプール出土の舎利容器をそれぞれ調査した。 ロンドンの二美術館における調査では、舎利と奉献品をひとつの容器に納める際に構想されていた原理的な方法にひとつの見通しを得られた。すなわち、容器内の内容物は、舎利と奉献品では位置する場所が違うという見通しである。この見通しに基づくと、舎利容器と奉献容器が分離するという次の段階を想定することが可能になる。この観点を得られたことは本研究にとり、極めて有益な成果となった。 一方で、今年度に予定していた中国国内での現地調査は、新型コロナウィルスによる渡航制限が続いたためおこなえなかった。これに関しては次年度に後ろ倒しする。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2022年度は、ヨーロッパにおける関連調査が実現したことにより、研究の大きな進展を得られた。一方、中国においては、新型コロナウィルスによる制限が続き、渡航が原則不可能な状況であったため、中国側共同研究者との打ち合わせならびに共同調査をおこなうことができなかった。状況のさらなる改善が見込まれる今年度は、ヨーロッパでの関連調査を継続するとともに、後ろ倒した中国国内での調査を可能な範囲で遂行していく計画である。
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今後の研究の推進方策 |
国際共同研究である本研究は、中国現地での活動ならびに国外での関連調査を活動の根幹にしている。そのため、本研究を開始して以来続いていた国際的なコロナ禍の状況は、研究遂行上に致命的な影響を及ぼしてきた。しかしながら、2023年4月現在、中国も含めた各国への渡航状況は大きく改善しているため、当初の計画を柔軟に再構成し、可能な場所から現地調査を遂行することができるようになった。2023年度は、まずはヨーロッパでの調査をおこなうとともに、中国新疆ウイグル自治区地域での調査が可能になった段階で現地調査をおこなう計画である。また、西北大学担当者との協議も調査地でおこなう予定である。
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