研究課題/領域番号 |
20KK0003
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研究種目 |
国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(B))
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分1:思想、芸術およびその関連分野
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研究機関 | 東京藝術大学 |
研究代表者 |
荒井 経 東京藝術大学, 大学院美術研究科, 教授 (60361739)
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研究分担者 |
國司 華子 東京藝術大学, 大学院美術研究科, 准教授 (70710763)
武田 裕子 東京藝術大学, 大学院美術研究科, 講師 (60770154)
向井 大祐 東京藝術大学, 大学院美術研究科, 講師 (40889135)
大和 あすか 東京藝術大学, 大学院美術研究科, 研究員 (30823752)
谷津 有紀 東京藝術大学, 大学院美術研究科, 助手 (20889208)
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研究期間 (年度) |
2020-10-27 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
18,720千円 (直接経費: 14,400千円、間接経費: 4,320千円)
2025年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
2024年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2023年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2022年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2021年度: 4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2020年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | 保存修復 / 文化財保存 / 東洋絵画 / 書画 / 模写 / 中国画 / 日本画 / 中国 / 文化財 / 教育 / 絵画 |
研究開始時の研究の概要 |
近年の中国が力を注いでいる分野に保存修復がある。絹や紙に描かれた東洋絵画は、適切な修復を繰り返しながら伝世してきた。日本では、明治20年設立の東京美術学校を嚆矢として保存修復が近代的な学術分野として確立している。一方、中国ではこの約10年間に全国の美術大学への専攻設置が相次いでいるが、人材確保、施設整備、カリキュラム編成などの全てに模索状態が続いている。本研究は、近年、保存修復分野を設置した広州美術学院において、東京藝術大学方式に基づく芸術実践系大学における保存修復教育を試行し、中国ひいては国際的な標準となり得る方法論の確立を目指す。
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研究実績の概要 |
2022年度においてもコロナ禍の影響で、本研究のカウンターパートである中国・広州美術学院への訪問が困難な状況であったが、オンラインツールを使用した研究情報の交換や研究計画の打合せを断続的に行ってきた。これによって、広州美術学院中国画系における保存修復課程の現在の施設・設備や学生の就学状況などを把握し、今後に日本からの提供が必要な学術的知見を精査することができた。特に書画修復実習と古典絵画模写実習についての実状ならびに指導担当者の展望についてリサーチした。また、2025年度に計画している広州美術学院での展覧会ならびにシンポジウムに関して、会場予定の嶺南画派記念館の改修工事(2023年に竣工)の進捗情報を得ながら、展示計画の具体化に着手した。 また、東京藝術大学において、美術大学における保存修復のカリキュラム実践に必要となるテキストの編纂を進め、2023年度には日本語版の原稿が完成できる見通しになった。2022年度内に進めた編纂作業においては、東京藝術大学保存修復日本画研究室編として既刊している『図解 日本画の伝統と継承ー素材・模写・修復ー』(2002年)ならびに『図解 日本画用語事典』(2007年)をベースとしながらも、刊行後20年来の文化財保存学の進展に則したアップデートや、日本国内だけでなく中国にも適用可能な内容の選択と加筆修正に重点を置いた。さらに、掲載する写真図版の向上を図るために、東京藝術大学美術館の収蔵品を撮影する企画を小プロジェクトとして立ち上げて、対象作品の選出と撮影方法の検討に着手した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
国際共同研究である本研究は、カウンターパートである中国・広州美術学院との共同によって推進していくものであるが、長引くコロナ禍の影響によって申請時から現在に至るまで相互に渡航が困難な状況が続いている。そのため、日本国内で実施可能なテキスト編纂等を集中的に進めることはできているものの、研究教育交流によってのみ得られる実質的な成果に乏しい状況となっている。
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今後の研究の推進方策 |
コロナ禍の影響が残る2023年度内に、日本国内で推進可能な保存修復テキストの編纂を充分に進め、2024年度の中国語訳、2025年度の実用化を目指す。 2023年度内に研究代表者らの中国・広州美術学院への渡航を実施し、対面による研究計画の確認と、2024年度のテキスト中国語訳、2025年度の保存修復展覧会ならびにシンポジウムについての具体的な準備を行う。 また、2023年度から広州への渡航回数を増やし、広州美術学院で行われている授業や実習のリサーチに基づいた助言や監修を実施していく。
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