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タジキスタンのゾロアスター教・仏教に関する総合的研究:遺跡と写本

研究課題

研究課題/領域番号 20KK0004
研究種目

国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(B))

配分区分基金
審査区分 中区分1:思想、芸術およびその関連分野
研究機関静岡文化芸術大学

研究代表者

青木 健  静岡文化芸術大学, 文化政策学部, 教授 (50745362)

研究分担者 川上 洋一  奈良県立橿原考古学研究所, 調査部, 部長 (10250383)
井上 貴恵  明治大学, 文学部, 専任講師 (70845255)
大西 貴夫  奈良県立橿原考古学研究所, 調査部調査課, 課長 (80260371)
研究期間 (年度) 2020-10-27 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2022年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
キーワードゾロアスター教 / タジキスタン / パミール高原 / パミール / 仏教 / シルクロード
研究開始時の研究の概要

従来のペルシア研究は、その西端たるイランに関心を集中し、東端たるタジキスタンは看過される傾向にあった。しかし、ペルシア文化の淵源は寧ろタジキスタンにある。ここを研究せずして、正確な中央アジア理解はない。これが、本研究の端的な問題意識である。つまり、本研究は、タジキスタン共和国を主たる対象とし、ゾロアスター教・大乗仏教関連の考古学的遺跡及び写本図書館の調査を目的とする。この研究によって、パミールに於ける遺跡と写本図書館に関する基礎的データを蒐集し、国際的に発信したい。

研究実績の概要

2023年度は、タジキスタンのパミール高原でのゾロアスター教遺跡・仏教遺跡の調査を意図し、2023年11月~12月に訪日中だったパミール人研究者から重要遺跡を聞き出して、そのマッピングまでを終えた。イスマーイール派の遺跡やスーフィーの遺跡まで、当初意図していた以上の成果が見込まれた。また、偶然遭遇したパキスタン・フンザにルーツを持つ学生の協力を得て、2023年6月~12月に断続的に研究会を開き、パミールからフンザに至る広いエリアの中での多角的な比較研究も計画した。更に、研究分担者の考古学者からのご提案により、これらの遺跡群を3D化して計測する計画も進め、より具体的な研究成果を提出する体制も整った。すなわち、紙上の研究計画としては、かなり望ましいものが仕上がったと考えている。
しかし、このタイミングで、タジキスタン及びパキスタンの外務省危険度レベルが2に達した。研究代表者が所属する大学では、危険度2以上の国や地域への渡航は許可されていない為に、タジキスタン・パキスタンへの渡航計画は、とりあえず一時的に中止せざるを得ない状況に追い込まれた。2024年度には、危険度の引き下げを期待して、このままタジキスタン・パキスタンへの渡航の機会を待つか、それとも周辺諸国で類似したゾロアスター教遺跡の存在を確認できるコーカサス諸国への渡航に切り替えるか、難しい決断を迫られている。とりあえず、コーカサス諸国の中でのアルメニアに関しては、2023年9月に予備的調査を行い、こちら編切り替えた場合への対応も徐々に整いつつある。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

2023年度は、タジキスタン・パミール高原での調査計画自体はかなり緻密なものが仕上がったと考えている。しかし、外務省の渡航危険度レベルが上がったために、大学の規定により渡航が不可能になり、この調査計画を実現する具体的手段を失った状況である。そこで、中央アジアの遺跡調査のバックアップ手段として、コーカサス諸国の調査も想定し、2023年9月にはアルメニアで予備的な訪問を行った。2024年4月段階では、どちらの調査も紙上計画としては実行可能な体制を整えつつ、情勢を注視しているところである。

今後の研究の推進方策

タジキスタン・パミール高原への渡航が制限される中で、条件の似た周辺諸国での研究を模索しているところである。具体的には、コーカサス諸国かイランを考えている。しかし、2024年4月現在で、イラン自体がイスラエルの空爆を受けている状況で、代替案で訪問できる国は、コーカサス諸国に絞られつつある。今後は、緊迫する中東情勢を睨みつつ、①危険度が下がって当初の予定通りにタジキスタンを調査できるパターン、②危険度が下がらないのでコーカサス諸国調査で代替するパターンの2つのプランを練って、二段構えでどちらかの推進を目指す方針である。

報告書

(4件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 2021 実施状況報告書
  • 2020 実施状況報告書
  • 研究成果

    (13件)

すべて 2024 2023 2022 2021 2020

すべて 雑誌論文 (6件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 2件、 招待講演 2件) 図書 (4件)

  • [雑誌論文] アゼルバイジャンとタジキスタンのゾロアスター教遺跡2023

    • 著者名/発表者名
      青木健
    • 雑誌名

      考古学ジャーナル

      巻: 785 ページ: 32-34

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [雑誌論文] 飛鳥・奈良と汎ユーラシアのイラン文化 20:「海のイラン」 とゾロアスター教2023

    • 著者名/発表者名
      青木健
    • 雑誌名

      奈良県立大学ユーロナラジア

      巻: 24 ページ: 20-29

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [雑誌論文] 飛鳥・奈良と汎ユーラシアのイラン文化18:長安(西安)・その22022

    • 著者名/発表者名
      青木健
    • 雑誌名

      奈良県立大学ユーロナラジア

      巻: 22 ページ: 34-39

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [雑誌論文] 飛鳥・奈良と汎ユーラシアのイラン文化19:「陸のイラン」と「海のイラン」2022

    • 著者名/発表者名
      青木健
    • 雑誌名

      奈良県立大学ユーロナラジア

      巻: 23 ページ: 18-25

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [雑誌論文] The Dasatir and the Azar Kaivan school in Historical Context: Origin and Later Development2022

    • 著者名/発表者名
      Takeshi AOKI
    • 雑誌名

      Entangled Religions

      巻: 13.5 ページ: 1-22

    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] ペルシア湾岸の石窟遺跡とイラン仏教の可能性2022

    • 著者名/発表者名
      青木健
    • 雑誌名

      静岡文化芸術大学研究紀要

      巻: 22 ページ: 69-76

    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [学会発表] 火の道2023

    • 著者名/発表者名
      青木健
    • 学会等名
      第4回奈良ゾロアスター教フォーラム(奈良県立大学)
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 国際学会 / 招待講演
  • [学会発表] Iran-Japan Cultural Contact in Historical Context2022

    • 著者名/発表者名
      Takeshi AOKI
    • 学会等名
      “MA” Art and Space in-Between Iran / Japan (Tehran University, Iran)
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 国際学会 / 招待講演
  • [学会発表] イランの仏教2020

    • 著者名/発表者名
      青木健
    • 学会等名
      第62回日本オリエント学会
    • 関連する報告書
      2020 実施状況報告書
  • [図書] 奈良でゾロアスター教(奈良県立大学ユーラシア研究センター学術叢書3)2024

    • 著者名/発表者名
      青木健(共著)
    • 総ページ数
      115
    • 出版者
      京阪奈情報教育出版
    • ISBN
      9784878068355
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [図書] 暗殺教団 「アサシン」の伝説と実像2021

    • 著者名/発表者名
      バーナード・ルイス、加藤 和秀
    • 総ページ数
      280
    • 出版者
      講談社
    • ISBN
      9784065227787
    • 関連する報告書
      2020 実施状況報告書
  • [図書] ペルシア帝国2020

    • 著者名/発表者名
      青木 健
    • 総ページ数
      376
    • 出版者
      講談社
    • ISBN
      9784065206614
    • 関連する報告書
      2020 実施状況報告書
  • [図書] 中東・オリエント文化事典2020

    • 著者名/発表者名
      鈴木 董、近藤 二郎、赤堀 雅幸
    • 総ページ数
      826
    • 出版者
      丸善出版
    • ISBN
      9784621305539
    • 関連する報告書
      2020 実施状況報告書

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公開日: 2020-10-29   更新日: 2024-12-25  

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