研究課題/領域番号 |
20KK0010
|
研究種目 |
国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(B))
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分3:歴史学、考古学、博物館学およびその関連分野
|
研究機関 | 奈良県立橿原考古学研究所 |
研究代表者 |
清水 康二 奈良県立橿原考古学研究所, 調査部調査課, 指導研究員 (90250381)
|
研究分担者 |
中西 哲也 九州大学, 総合研究博物館, 准教授 (50315115)
南 健太郎 京都橘大学, 文学部, 准教授 (60610110)
清水 克朗 富山大学, 学術研究部芸術文化学系, 准教授 (70235646)
宇野 隆志 奈良県立橿原考古学研究所, 調査部調査課, 主任研究員 (80739144)
|
研究期間 (年度) |
2020-10-27 – 2026-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
18,590千円 (直接経費: 14,300千円、間接経費: 4,290千円)
2025年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2024年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2023年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2022年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2021年度: 4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2020年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
|
キーワード | 三角縁神獣鏡 / 銅鏡 / 山東省 / 銅鏡製作技術 / 鑑笵再利用技法 / 同笵鏡 / 鏡笵再利用技法 / 鉛同位体比 / 古墳時代 / 三国時代 / 製作技術 / 魏晋南北朝 / 魏志倭人伝 |
研究開始時の研究の概要 |
三角縁神獣鏡は、古墳時代史や東アジア古代史にとって極めて重要な考古資料であるが、製作地が明らかになっていない。三角縁神獣鏡製作地同定のためには、現在のところ三角縁神獣鏡の工人系譜と密接な関係が指摘されている華北北部系鏡群と華北東部系鏡群のうち、研究代表者がより関係性が高いと想定する華北東部系鏡群の故地(特に山東省と江蘇省の境界域)において、後漢~晋代出土鏡の資料化と調査をおこなう。併せて青銅器の産地同定に有効な鉛同位体比測定をおこなう。出土資料調査が少なかった山東省と江蘇省の境界領域で共同研究をおこなうことで、三角縁神獣鏡の製作地に迫る。
|
研究実績の概要 |
2023年9月には山東省文物考古研究院の協力を得て、山東省文物考古研究院所蔵鏡約40面、滕州漢画像石館所蔵鏡役20面の資料調査をおこなった。調査方法は銅鏡の高精度写真撮影、3Dスキャナーによる計測、厚さ計測、重量計測および観察結果の文字記録である。調査期間は2023年9月17日~10月1日である。2024年3月21日~28日まで山東省文物考古研究院所蔵鏡の追加調査と棗庄市山亭区で山東省文物考古研究院が発掘調査をおこなった遺跡の出土鏡を約20面調査した。追加調査は前回写真撮影ができなかったものの撮影と3D計測が不調であったものに関しての再計測である。山亭区出土品については、観察と文字記録、写真撮影と3D計測をおこなった。 さらに3月の調査では、古代に操業していたとと考えられる山東省莱蕪市の2か所の鉱山遺跡の踏査をおこなった。ここでは鉱石のほか、銅製錬をおこなったと推定される場所ではスラグが地表に確認できた。遺跡踏査に当たっては、山東省文物考古研究院のほかに、山東大学の研究者の協力を得た。 撮影済みの写真については、日本において整理作業を進行中で、整理を終了したデータについてはコピーを山東省文物考古研究院に渡している。2023年度の資料調査でおこなった3D計測データは、画像化を継続しておこなっており、2024年度中には終了する予定である。2024年度の調査計画については、2023年3月の訪中時に、山東省文物考古研究院の担当者と綿密に打合せをおこなって、調査計画を具体的に立案した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究開始から2022年度までは、中国での現地資料調査ができなかったため、大幅に研究の進捗が遅れていた。現在も研究の遅れを取り戻せていない。2023年度からは現地調査が可能になったが、コロナ以前と違って渡航手続きが煩雑なため、十分な資料調査期間が確保できなかったから。
|
今後の研究の推進方策 |
2024年度は最低2回の山東省での資料調査をおこない、可能ならば3回の調査を目標とする。2024年度の8月、12月、3月を予定している。写真撮影資料の整理と3D計測データを画像化する。2021ー2022年度に整理作業をおこなっていた前漢代の銅鏡と鏡笵にかかわる報告書を出版する。さらにこれまで調査をおこなってきた銅鏡のうち、三角縁神獣鏡と関連の深い鏡を選び鉛同位体比分析をおこなう。可能であれば、山東省内の複数の鉱山遺跡において採取した鉱石の鉛同位体比分析をあわせておこない、山東省内出土の銅鏡と鉱山遺跡との関係を探る。銅鏡、鉱石ともに中国外への持ち出しは禁止されているので、中国国内で鉛同位体比分析をおこなう予定である。 2025年度には可能であれば4回の現地調査を目指し、山東省以外の江蘇省での資料調査を山東省文物考古研究院に依頼しており、その実現を目指したい。最終的には資料調査をまとめた研究報告書を中国国内で出版予定である。
|