研究課題/領域番号 |
20KK0014
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研究種目 |
国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(B))
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分4:地理学、文化人類学、民俗学およびその関連分野
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
廣田 勲 岐阜大学, 応用生物科学部, 助教 (50572814)
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研究分担者 |
横山 智 名古屋大学, 環境学研究科, 教授 (30363518)
津田 智 岐阜大学, 流域圏科学研究センター, 准教授 (50212056)
石田 卓也 広島大学, 先進理工系科学研究科(総), 助教 (70759571)
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研究期間 (年度) |
2020-10-27 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2021年度)
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配分額 *注記 |
15,600千円 (直接経費: 12,000千円、間接経費: 3,600千円)
2023年度: 4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2022年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2021年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2020年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
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キーワード | 焼畑の歴史的変遷 / 焼土効果 / 埋土種子 / 環境のヘテロ性 / 生業の多様性 / 生物多様性 / 山地農業 / 焼畑農業 / ファイヤーエコロジー / 生物多様性と生業の連動性 / 生業の多様度指標 / 生業の総体性 / 土壌環境のヘテロ性 |
研究開始時の研究の概要 |
東南アジア大陸部の様々な生業活動は、歴史的に極めてヘテロな環境を作り出し、生物多様性の創出に貢献してきたと考えられる。近年、市場経済化の影響により、生業や土地利用の単純化が大規模に進行している。その一方で一部地域では、こうしたヘテロ環境が能動的に維持されている村落が存在することが明らかとなってきた。本研究はこうした村落を対象とし、ヘテロな環境を組み込んだ生業形態の解明を試みる。依然として伝統的な生業が多く残存するラオス山地部の地域住民の生業を、総体性、連動性に着目し理解し直すことによって、高い生物多様性を有する地域における、市場経済化等の現代的背景を踏まえた生業の地域適合的なモデルを提案する。
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研究実績の概要 |
本研究は、東南アジア大陸山地部の高い生物多様性と歴史的に行われてきた自給的生業活動の関係性を明らかにすることを目的としている。生業活動が作り出すヘテロな環境に着目し、その環境の生態学的動態と、社会経済的意義について多面的に明らかにする。 残念ながら前年度に引き続き本年度もコロナの影響で海外渡航できず現地調査を実施することはできなかった。その一方で、現地調査をある程度代替する研究活動をこれまで行ってきてきた。本研究期間ではまず東南アジア大陸山地部の代表的な自給的活動である焼畑農業について文献調査を実施してきた。焼畑農業に関連する伐採作業のような個別の作業についての文献調査、また焼畑農業の歴史的変遷を追跡するための過去の焼畑農業のシステムについての記録の探索を行った。これらの成果の一部はすでに公開を行うことができた。また、農耕地生態系の生態学的動態に関しては、日本で試験的に実施されている焼畑地においてデータを収集している。休閑植生に大きな影響を与える埋土種子に関する調査、火入れ時の温度の動態についてはデータを蓄積しつつある。火入れが作り出す環境のヘテロ性については、簡易的な温度計を多数設置した予備的な調査によって一部効果が認められつつあり、引き続きデータの収集を目指す。土壌養分動態、特に焼畑の焼土効果については、分析の結果火入れ後の可給態リンの濃度上昇が認められており、植生回復への貢献可能性が示されている。これまでの土壌深度別の分析に加えて今後は面的なサンプル採取も予定しており海外調査に向けた予備的な知見は蓄積されつつある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
一部文献調査からの成果を発表することができ、また日本での焼畑の試験による予備的な知見が蓄積されつつある一方、海外における調査が全く実施できていないため、やや遅れているとした。
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今後の研究の推進方策 |
海外渡航の可能性が徐々に出てきていることから、コロナの影響に留意しつつ海外の共同研究期間と連携し実施に向けて検討していく予定である。研究代表者と分担者の調査経験を踏まえて、ある程度対象地域を絞りつつ調査村剪定のための予備調査を実施したい。研究に関係する海外の研究機関との関係は良好であり、海外渡航が再開された後でも全く問題なく調査を開始できる。
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