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チベットの宗教基層におけるモノと聖性の動態に関する国際共同調査研究

研究課題

研究課題/領域番号 20KK0021
研究種目

国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(B))

配分区分基金
審査区分 中区分4:地理学、文化人類学、民俗学およびその関連分野
研究機関国立民族学博物館

研究代表者

長野 泰彦  国立民族学博物館, その他部局等, 名誉教授 (50142013)

研究分担者 津曲 真一  大東文化大学, 文学部, 教授 (20615033)
村上 大輔  駿河台大学, 経済経営学部, 准教授 (50778339)
鳥谷 武史  金沢大学, 人間社会研究域, 客員研究員 (50814901)
研究期間 (年度) 2020-10-27 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
18,850千円 (直接経費: 14,500千円、間接経費: 4,350千円)
2023年度: 4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 5,980千円 (直接経費: 4,600千円、間接経費: 1,380千円)
2021年度: 5,720千円 (直接経費: 4,400千円、間接経費: 1,320千円)
2020年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
キーワードポン教 / チベット仏教 / 儀礼具 / カロンサンドゥー / ナムカ / シンリ / ティテン・ノルブツェ寺 / チベット / 儀礼 / 物質性 / 聖性 / 宗教基層 / 憑依 / モノ / 民間習俗 / マテリアル性 / 呪物
研究開始時の研究の概要

我が国にはチベット研究の長い伝統がある。今は散逸した梵語仏典の再構成がチベット語を通じて可能であることが判明したため、19世紀後半からチベットが俄に脚光を浴びた。これが日本の仏教研究に顕著な進展をもたらしたのだが、チベットそのものへの関心は二次的であった。本研究では、仏教・ポン教・民間習俗の儀礼と憑依、そこに介在する呪物に注目し、民衆の目線に立ってその内容・意味の記述と文献学的裏付けを行い、そこに働くモノと聖性の動態とその現代的意味を描出したい。これにより、チベット宗教文化基層に通底するものを明らかにすることができる。この為、中国・中央民族大学の才譲太教授との密接な連携のもとに調査研究を行う。

研究実績の概要

本研究は儀礼・憑依・呪物や儀礼具などを通じてチベットの宗教実践の有り様を詳細に参与観察し、そこに働くマテリアル性と聖性を軸にチベットの宗教文化基層に通底するものは何かを明らかにすることを目的としている。チベットの宗教文化、特に仏教文化は分厚い研究の蓄積を誇る。その教義、哲学、認識論、それと関連する図像表象にかかる研究は高度に洗練されてきたが、人々の信仰の基底をなす普遍的特徴や教学・憑依・儀礼において用いられる具体的なモノへのアプローチや解釈は僅少である。本研究では、チベット仏教・ポン教・民間習俗での儀礼と憑依、そこに介在する儀礼具や護符などの呪物に注目し、一般の人々の目線に立って、その内容・意味・用途の記述と文献学的裏付けを行い、そこに働くモノ(マテリアル性)と聖性のダイナミズム、及び、それら持つ現代的意味を描出しようとするものである。文化人類学(民俗学)、宗教学、チベット学、図像学の方法論、及び、フィールドワークと文献学という異なる手法を組み合わせつつ、中国中央民族大学中国少数民族語言文学学院、ツェリン・タール(才譲太)教授とそのチームとの協働で調査研究を行う予定であった。
しかしながら、コロナ禍で採択から2年度は現地でのフィールド調査は不可能であったため、専ら儀軌文献の確定と文献学分析、並びにZOOM会議による研究打ち合わせを行ってきた。その結果、カロンサンドゥーと題する儀礼と儀軌文献の解析に成功し、その儀礼執行を模索した。本来は中国南西部のポン教寺院で行うのが理想的だったが、種々の状況からそれが困難であると判断し、ネパールのティテン・ノルブツェ寺において執行することとした。準備期間が短かったが、全ての儀礼具が揃い、2023年8月中旬に儀礼を参与観察できた。儀礼のプロセスは全て映像として記録し、儀礼と儀軌文献との対応関係などを明確に記述できた。現在その解析を急いでいる。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

本研究ではポン教儀礼の儀軌の文献研究と現地でのフィールドワークに基づく参与観察を組み合わせて、儀礼の構造とそれを取り巻く儀礼具の記述研究と意味解釈を進展させる計画だったが、コロナ禍のため実施できずにいた。最終年度である2023年8月に、場所を中国からネパールに変更してようやく儀礼を執行できた。このため、補遺調査と成果刊行計画にやや遅れが発生しており、1年度の延長を既に申請済みである。

今後の研究の推進方策

延長が承認されたので、2024年度前半に儀礼にかかる補遺調査と儀礼具の補完的蒐集を行い、モノグラフ単刊を出版する予定である。

報告書

(4件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 2021 実施状況報告書
  • 2020 実施状況報告書
  • 研究成果

    (14件)

すべて 2024 2023 2022 2021 2020 その他

すべて 雑誌論文 (9件) (うち査読あり 9件、 オープンアクセス 3件) 図書 (4件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] 『頓悟大乗正理決』叙と藏文資料2024

    • 著者名/発表者名
      津曲真一
    • 雑誌名

      大東文化大学漢学会誌

      巻: 63 ページ: 121-141

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] An Annotated Translation of gZer-Mig (2)2024

    • 著者名/発表者名
      津曲真一
    • 雑誌名

      大東文化大学紀要

      巻: 62 ページ: 95-112

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] チベットの民間信仰の呪術性に関する試論2024

    • 著者名/発表者名
      村上大輔
    • 雑誌名

      駿河台大学論叢

      巻: 66 ページ: 51-76

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] チベット仏教における接触の諸相2023

    • 著者名/発表者名
      津曲真一
    • 雑誌名

      宗教研究

      巻: 96-2 ページ: 127-147

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Annoted Translation: The tenth chapter of gZer-mig2023

    • 著者名/発表者名
      津曲真一
    • 雑誌名

      大東文化大学紀要

      巻: 61 ページ: 93-109

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] チベットの「龍神」ル(klu)の信仰について2022

    • 著者名/発表者名
      村上大輔
    • 雑誌名

      国立民族学博物館研究報告

      巻: 46-3 ページ: 501-536

    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] 穢れと身代わりの思想 ~チベット民間信仰序説2021

    • 著者名/発表者名
      村上大輔
    • 雑誌名

      『チベットの歴史と社会』

      巻: 下巻 ページ: 8-26

    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] 穢れと身代わりの思想 ーチベットの民間信仰序説ー2021

    • 著者名/発表者名
      村上大輔
    • 雑誌名

      『チベットの歴史と社会(下)』

      巻: なし ページ: 8-26

    • 関連する報告書
      2020 実施状況報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] イッポリト・デシデリ神父の輪廻批判2020

    • 著者名/発表者名
      津曲真一
    • 雑誌名

      『越境する宗教史 (上)』

      巻: なし ページ: 95-125

    • 関連する報告書
      2020 実施状況報告書
    • 査読あり
  • [図書] 光の少年:チベット・ボン教の二つの図像から読み解く秘密の口承伝統2023

    • 著者名/発表者名
      津曲真一
    • 総ページ数
      270
    • 出版者
      ナチュラルスピリット
    • ISBN
      9784864514590
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [図書] rGyalrong2021

    • 著者名/発表者名
      Yasuhiko NAGANO
    • 総ページ数
      400
    • 出版者
      風響社
    • ISBN
      9784894893054
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [図書] 『媒介物の宗教史(上)』2020

    • 著者名/発表者名
      津曲真一(共編著)
    • 総ページ数
      376
    • 出版者
      リトン
    • ISBN
      9784863760738
    • 関連する報告書
      2020 実施状況報告書
  • [図書] 『媒介物の宗教史(下)』2020

    • 著者名/発表者名
      津曲真一(共編著)
    • 総ページ数
      430
    • 出版者
      リトン
    • ISBN
      9784863760806
    • 関連する報告書
      2020 実施状況報告書
  • [備考] 国立民族学博物館データベース『チベット宗教図像』(代表者:長野泰彦)

    • URL

      https://htq.minpaku.ac.jp/databases/tibetaniconography/

    • 関連する報告書
      2020 実施状況報告書

URL: 

公開日: 2020-10-29   更新日: 2024-12-25  

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