研究課題/領域番号 |
20KK0026
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研究種目 |
国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(B))
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分6:政治学およびその関連分野
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
日野 愛郎 早稲田大学, 政治経済学術院, 教授 (30457816)
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研究分担者 |
西川 賢 津田塾大学, 学芸学部, 教授 (10567390)
MCELWAIN KENNETH 東京大学, 社会科学研究所, 教授 (80768896)
FAHEY ROBERT・ANDREW 早稲田大学, 政治経済学術院, 研究助手 (10844516)
劉 凌 早稲田大学, 政治経済学術院, その他(招聘研究員) (80844521)
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研究期間 (年度) |
2020-10-27 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,290千円 (直接経費: 13,300千円、間接経費: 3,990千円)
2024年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2023年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2022年度: 6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2021年度: 4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2020年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
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キーワード | ポピュリズム / 内容分析 / ソーシャルメディア / 世論調査 / 国際比較 / 政治家の言説 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、ポピュリズムの国際比較研究プロジェクトにおいて空白国となっている日本の基礎データを構築して広く公共財として提供すると同時に、他国と比較してなぜ日本においてポピュリズムが不在(と言われる)かという問いに一定の答えを提示することを試みるものである。ポピュリズム研究の第一人者であるCas Mudde氏と協働しながら、日本型ポピュリズムの独自の視点を提起するとともに、政治家・政党のメッセージの内容分析やソーシャル・メディアのテキスト分析の統合データを国際基準に準拠・発展させて整備することを目指す。
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研究実績の概要 |
23年度はポピュリズムの定義に従いコーディングの基準作りを進め、精査した問題点をもとに作業を進めた。本研究の目的は、日本におけるポピュリズムの事例や研究を踏まえて、国際比較が可能となる基礎データを構築し、日本独自の視点を提起することである。ポピュリズム研究の第一人者であるCas Mudde氏と協働しながら、日本型ポピュリズムの独自の視点を提起するとともに、政治家・政党のメッセージの内容分析を国際基準に準拠・発展させて整備することを目指す。23年度は22年度に実施したジョージア大学への出張、ならびにCas Mudde氏とのミーティングを踏まえて具体的なコーディング方法について検討を進めた。具体的には、Team PopulismによるGlobal Populism Databaseの基準に準拠しつつ、独自の分析対象・枠組みを追加することや、Team Populismが分析の対象とする首相や大統領の選挙キャンペーンの演説、フォーマルな式辞、国際舞台における外交演説、その政治家の代名詞的な有名な演説に加え、本研究は野党も含めた全ての党首の言説を収集・コーディングし、ポピュリズムをめぐる政党間競争の分析を可能にすることを検討した。Team Populismのコーディングスキームは、Cas Mudde氏のポピュリズムの定義が忠実に反映され、反エリート主義、人民中心主義、善悪二元論といった要素が含まれているが、本研究は、エリートの種類にマス・メディア、官僚・公務員、アカデミア・専門家を加えることにより、エリートの主体をより丁寧にコーディングすることについて具体的に検討した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
23年度は22年度に行った分析をもとに発展させた。22年度は、収集済みの政党マニフェストのテキストデータを中心に半教師あり機械学習アプローチの1つであるKeyword Automatic Topic Models (keyATM)を用いて争点の分類を行った。選挙ごとに検出されるトピックの割合とポピュリズムの分類との関連を見るための基礎データとして今後活用できる準備が整った。本研究は、内容分析(content analysis)の定式化された手続きに則ってコーディングを行う。複数のコーダーが共通のコーディング定義のもとで分類ができるよう、コーディングマニュアルの検討を重ねている。Team Populismは訓練セッションを複数回実施しており、セッションへの参加経験も踏まえて、コーディングの不一致が生まれる要素を見極めながら丁寧に分類基準の平準化を目指している。Team Populismに寄託するコーディングデータは、統一フォーマットに準拠しつつ、日本版のデータには下位カテゴリーを設けることを軸に調整を進める。コーダー間の信頼性(intercoder reliability)の数値が基準値(Krippendorff Alpha=.67を予定)を上回ってからコーディングを開始する。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度はこれまでCas Mudde氏と協議したコーディングの定義を踏まえて、収集した資料を中心にコーディングを、引き続き行う。コーディングの精度を高めるべく、コーダー間の信頼性検定を通してコーダーを訓練する。そして、ポピュリズムの国際比較研究プロジェクトにおいて空白国となっている日本の基礎データを構築して広く公共財として提供すると同時に、他国と比較してなぜ日本においてポピュリズムが不在(と言われる)かという問いに一定の答えを提示することを試みる。
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