研究課題/領域番号 |
20KK0028
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研究種目 |
国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(B))
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分7:経済学、経営学およびその関連分野
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研究機関 | 大阪公立大学 (2022) 大阪市立大学 (2020-2021) |
研究代表者 |
石井 真一 大阪公立大学, 大学院経営学研究科, 教授 (70315969)
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研究分担者 |
高木 修一 大阪公立大学, 大学院経営学研究科, 准教授 (00803462)
趙 怡純 尾道市立大学, 経済情報学部, 講師 (50844073)
下野 由貴 名古屋市立大学, 大学院経済学研究科, 教授 (20379473)
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研究期間 (年度) |
2020-10-27 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
17,160千円 (直接経費: 13,200千円、間接経費: 3,960千円)
2025年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2024年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2023年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2022年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2021年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 脱グローバル化 / 多国籍企業 / 拠点間連携 / 国際経営 / 国際拠点間連携 / 脱グローバル期 |
研究開始時の研究の概要 |
新型感染症の世界的流行は、自国至上主義の台頭や国家間安全保障体制の不安定化の中で、国境を超えた人・物の移動や人々の協働を制約する状況をもたらした。これらの脱グローバル化を促す要因が多国籍企業にもたらす影響ついて、国際拠点間の連携に焦点を当てた分析を通じて明らかにする。また、この分析を通じて、現代の多国籍企業における運営体制の変容および存続の可能性について検討をおこなう。
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研究実績の概要 |
令和4(2022)年度における研究活動では、前年から続く新型コロナ感染症の世界的流行のために、とくに年度前半においては、共同研究者との間で、国内・海外における企業訪問調査、研究調査の打ち合わせおよび学会・研究会での研究発表の実施は大きな制約を受けた。このため、これまでに蓄積したインタビューデータの再検討を実施し、また遠隔による企業の国内・海外拠点のビジネスパーソンへのインタビュー調査、共同研究者間の打ち合わせ、学会発表等を実施した。ただし、年度後半からは新型感染症の流行が一定程度鎮静化されたことで、国内外の往来における制約も大幅に解除され、これまで実施できていない国内・海外での調査・打ち合わせを実施することができた。 また、研究活動においては、企業の機密事項も含まれる開発活動を分析するという本研究の趣旨とのかかわりで、調査データの処理・蓄積・公表については、慎重に実施している。調査内容の公表に際しては、調査先企業との共同確認作業や、公表データを活用した形での事例分析の検討等、調査内容の正確性を確保しつつ、調査内容の公表が対象企業に不利益をもたらすことのないような調査研究の方法を取り入れている。また、本研究ではインタビュー等のデータの文書化・管理等を研究代表者が直接行った。これらの研究上の方針・手法は、企業活動の歴史的経緯を丹念に解明する研究アプローチに適しており、さらに研究経費の抑制の点等でも有効である。このような研究上の方針と手法にもとづいた論文を海外共同研究者との間で執筆しており、翌年度には国際学会用の発表論文として投稿する準備を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究では、脱グローバル化期における企業行動について国際共同による調査研究を行うことを主眼とするが、同時に、若手研究者の国際的な共同研究の経験の蓄積と研究成果の発信というミッションも有している。これらの目的に向けた調査研究および準備作業を進めてきた。まず、データ分析の中心となるインタビュー調査においては、自動車企業を中心とした国内外の製造企業の事業拠点の人々にインタビュー調査を実施した。新型感染症の流行期以降には対面での訪問調査や学会発表などが制限されている中で、これまで中心におこなった自動車企業関係者へのインタビューとあわせて、国内・海外の製造企業の代表者や役員等に対するインタビューを主に遠隔で実施した。とくに遠隔での企業調査については当初は実施の予定がなく、新型感染症の流行によってやむを得ず実施した面がある。ただし、遠隔であれば国内・海外における企業調査を低い予算で比較的柔軟に、かつ多くの人数で同時に実施できる等のメリットが大きいことも明らかとなった。これについては、今後も適宜取り入れていく予定である。また、2022年度後半からは新型感染症の流行も一定程度抑制され、また国内外の往来における制約も大幅に解除されてきた。これにより、本研究が当初想定していた対面による国内外での企業調査や打ち合わせ等も、新型感染症の流行状況も慎重に見極めつつ、実施している。なお、これまでに収集したデータの再検討や、それらを元に理論構築および学会発表等を通じて、さらなる調査と理論構築を進め、その成果の一部については論文、書籍、学会発表等ですでに公表している。
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今後の研究の推進方策 |
まず、遠隔技術なども積極的に活用しながら、訪問調査、打ち合わせ、研究発表をさらに推進していく。2023年度には国内だけでなく、海外においても研究発表をおこなえるように研究メンバーが準備作業を進めている。新型感染症の流行状況も慎重に見極めつつ、可能な範囲で積極的に国内・海外における研究発表をおこない、他の研究者とのディスカッションもおこない、さらに研究内容を発展させていく予定である。また、国内および海外における企業訪問によるインタビュー調査や共同研究者間の打ち合わせ等についても、対面だけでなく、遠隔による対応についても適宜取り入れながら、実施していくことを予定している。 また、これまでに進めてきた書籍や論文等による研究成果の公表についても、今後も推進していく。すでに投稿準備の段階にある論文および査読プロセスを経た論文等の執筆・校正等も進めており、2023年度にはこれらの公表に向けた準備作業を進めていく予定である。
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