研究課題/領域番号 |
20KK0039
|
研究種目 |
国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(B))
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分8:社会学およびその関連分野
|
研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
賽漢卓娜 長崎大学, 多文化社会学部, 准教授 (20601313)
|
研究分担者 |
矢元 貴美 大阪大学, 大学院人文学研究科(外国学専攻、日本学専攻), 講師 (40830089)
高畑 幸 静岡県立大学, 国際関係学部, 教授 (50382007)
|
研究期間 (年度) |
2020-10-27 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
10,920千円 (直接経費: 8,400千円、間接経費: 2,520千円)
2024年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2023年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2022年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2021年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
|
キーワード | 移民 / 女性 / ジェンダー / 共助 / 公助 / アンダーコロナ / 家族 / アフターコロナ / グローバルモビリティ / 移民女性 / コロナ / 親密性 |
研究開始時の研究の概要 |
本国際共同研究の概要は、移民女性に焦点を当て、covid-19のパンデミックによるモビリティの制限が、移民、とりわけ移民女性の身体の管理、トランスナショナルな世帯の維持・親密性の構築、トランスナショナル化されたコミュニティに与える影響を明らかにすることである。 研究方法については、移民研究の分析概念として、エスニシティ、階級、ジェンダーの関連性に力点を置く。その際、マイノリティとして周辺化された存在としての移民ではなく、主体的行為者としての移民という視点で研究を再構築する。最終的に、アフターコロナにおけるグローバルモビリティ研究の再構築を目指す。
|
研究実績の概要 |
研究者間でオンラインを通じて議論を深めている。また、浜松において、フィリピン関係の学習支援等の団体や社会福祉法人関係者に対して聞き取り調査を実施し、合わせて共同研究者が集まって、研究内容を発表して、知識の共通化を図った。同実地調査や直接集まっての研究報告により、前年度に認識されていた、日本社会における移民の生活基盤の脆弱性が、ジェンダー、雇用形態、在留資格等の変数を加えて改めて露呈したこと、移動制限によって、国内外に維持されてきた家族生活に支障が生じていること、COVID-19 時代の支援にはトランスナショナルな公助、および多次元・多方向の共助が見られたことが判明した。このように、エスニック・コミュニティごとに、階級、ジェンダー、ならびにネーションの関連性に関する確認を深め、コロナの影響に注意しつつ、フィードバックなどの研究方針を確認した。
具体的には、永住型移民として、フィリピン人移民女性の研究について、フィリピン人結婚移民の高齢化・単身化・困窮化が進む現状が確認でき、他方でコロナ禍で仕事が不安定な状況にあるにもかかわらず送金する移民女性は少なくなかったことが分かり、さらなる調査が必要であると考える。コロナ渦において、中国人(系)移民のトランスナショナルな介護の困難も調査を通して露呈していた。 また、一時滞在型移民として、「技能実習2~3号」「特定技能1号」(農業)のベトナム人とフィリピン人女性への調査から、コロナ禍において収入減があるものの依然として稼ぎ主役割、トランスナショナルな母親業を遂行していたことが分かった。母国の宗教的なコミュニティへのりモート参加などからは、日本社会に実在する心のよりどころが非常に限られ、「遠隔的な共同体」関係を求めているように見受けられている。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナの影響で、国内外の移動は制限があり、フィールドワークが実施しにくく、調査は不十分である。このような状況の中で、不十分でありながら一部の調査を実施し、2023年度は更なる調査が必要となる。
|
今後の研究の推進方策 |
中国、フィリピン、ベトナム系移民の全体像を裏付けるためアンケート調査を実施し、日本国内在住移民に対して聴き取り調査を実施する予定である。現在、アンケート項目のすり合わせを行っている。 ベトナム関連部分については、現状の研究分担者に加えて、ベトナム領域での研究者を分担者又は協力者を選任して、調査を充実させる。 そのほかに、2023年度はコロナの影響で制限されていた実地調査をより深い範囲で行い、一部は論文化する予定である。
|