研究課題/領域番号 |
20KK0048
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研究種目 |
国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(B))
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分9:教育学およびその関連分野
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研究機関 | 大阪公立大学 (2022) 大阪市立大学 (2020-2021) |
研究代表者 |
辻野 けんま 大阪公立大学, 大学院文学研究科, 准教授 (80590364)
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研究分担者 |
高橋 望 群馬大学, 大学院教育学研究科, 准教授 (10646920)
西口 啓太 関西学院大学, ライティングセンター, 准教授 (40885828)
安原 陽平 獨協大学, 法学部, 准教授 (50723102)
原 瑞穂 上越教育大学, 大学院学校教育研究科, 准教授 (90452036)
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研究期間 (年度) |
2020-10-27 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
18,590千円 (直接経費: 14,300千円、間接経費: 4,290千円)
2023年度: 5,200千円 (直接経費: 4,000千円、間接経費: 1,200千円)
2022年度: 4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2021年度: 4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2020年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
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キーワード | 教師教育 / 教職専門性 / 国際研究 / ポスト国民国家 / マイノリティ / 国際比較 / Teacher Education / Post Nation State Era / Global Welfare |
研究開始時の研究の概要 |
公教育制度は、歴史的には国民国家の礎となってきたが、現代では国民国家パラダイムこそが教育の公共性にとって克服すべき課題となっている。本研究は、教師教育におけるマイノリティの位置づけに着目し、そこから映し出される公教育課題について明らかにする。本研究では、文脈の異なる、(1)EU圏内外のケース(ドイツ、トルコ、キプロス)、(2)島国のケース(日本、ニュージーランド)、(3)大陸国のケース(カナダ、アメリカ)を対象に、現地研究者らとの共同研究を進める。そして、〈教員の専門性〉と〈教職の専門職性〉を包含する立場から、マイノリティによって映し出される教師教育の課題を明らかにする。
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研究実績の概要 |
教職専門性のあり方を公教育制度において周縁化されるマイノリティへの着眼から問い直し、国際共同研究により国民国家パラダイムを越えた教師教育の課題を明らかにするのが、本研究である。2022年度は、上半期に2020年度来のCOVID-19の影響を引き続き強く受けた一方で、下半期には出入国管理の緩和により海外との直接の往来が可能になった。 まず、2022年度上半期には研究の中間成果をブラジルにて開催された国際教師教育学会(International Society for Teacher Education)にて発表し、質疑および研究交流を通して様々な示唆を得ることができた。下半期には、カナダ、アメリカ、キプロス、ドイツの海外共同研究者を日本に招聘し、研究協議を重ねつつジョイントセミナー報告等の形で成果発信した。 海外共同研究者らからは、各社会が直面する移民・難民、先住民族、宗教、ハンディキャップをもつ人々はじめ、周縁化される多様なマイノリティから問い返される教職専門性への問題提起がなされた。また、ナショナル・アイデンティティの問題にどう向き合うかとの問いについて、国ごとに異なる文脈が共有された。そこから、インクルージョンや社会的公正、正義、ポストコロニアリズム、ポストモダニズム、等へと連なる公教育への問いについて議論が重ねられた。 新自由主義的な教育政策やコロナ禍の教育政策に翻弄される教育課題について、それぞれの社会における異同はありつつも、ポスト国民国家時代の教師教育のあり方を問う本研究において通底する課題意識を確認することができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2021年度まではCOVID-19の影響が甚大であり海外共同研究者との協議はオンラインに限定されていたが、2022年度は相互往来と対面による研究協議を充実させることができ、集中的に研究協議を重ねることができた。文脈の異なる諸外国の研究者と課題関心をすり合わせ、ポスト国民国家時代の教師教育への討議を実質的に深めることができた。各国の固有文脈と国際的に通底する文脈、さらには潜在的・顕在的な課題などについて確認し、最終年度へ向けた情報整理を行った。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度は最終年度として、引き続き海外との直接の往来をともなう現地調査と対面での研究協議を中心としつつ、オンラインでの研究協議も併用していく。研究成果については学会発表を行うとともに、研究成果報告を共同で執筆する。海外調査については、学校、教員養成機関、大学、教育行政機関などへの訪問調査を行う。また、研究の総括のために日本での全体会議を開催する。
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