研究課題/領域番号 |
20KK0090
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研究種目 |
国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(B))
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分22:土木工学およびその関連分野
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
佐藤 久 北海道大学, 工学研究院, 教授 (80326636)
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研究分担者 |
齋藤 伸吾 埼玉大学, 理工学研究科, 教授 (60343018)
山村 寛 中央大学, 理工学部, 教授 (40515334)
丁 青 中央大学, 理工学部, 助教 (70837476)
中屋 佑紀 北海道大学, 工学研究院, 助教 (60868735)
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研究期間 (年度) |
2020-10-27 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
18,720千円 (直接経費: 14,400千円、間接経費: 4,320千円)
2023年度: 4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2020年度: 5,720千円 (直接経費: 4,400千円、間接経費: 1,320千円)
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キーワード | 薬剤耐性菌 / 簡易測定 / 水系感染症 / 微生物モニタリング技術 / 飲料水 |
研究開始時の研究の概要 |
革新的な3種の微生物モニタリング技術を開発する。これらを使ってスリランカとインドネシアの家庭で一般市民が飲料水中の微生物量を測定できる社会を実現する。日本の使用済み逆浸透膜を再利用し飲料水水質を向上する。これら研究を海外で行うことで、海外の共同研究者と強固な研究ネットワークを構築する。国内外の若手研究者と大学院生が現場で作業を共有し研究ネットワークを持続可能なものとする。
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研究実績の概要 |
今後海外で薬剤耐性遺伝子(ARG)を測定するため、まずは国内で実験方法を確立した。 豊平川の地点を上流から豊平①(下水処理場から2.3 km上流),豊平②(12.0km下流),豊平③(25.1km下流),豊平④(26.7 km下流),豊平⑤(28.8 km下流)と名付け,これら計5か所で試料を採取した.④と⑤の間には下水処理場から下水処理水が流入している.豊平川各地点では,試料を2020年6月から2022年6月まで月に2回から4回の頻度で採取した. 豊平川は豊平③と④の間で大腸菌数が増大しており,糞便汚染が検出されたことから、豊平③までは人間活動の汚染が少ないことが分かった.十勝川では十勝①と②の間で大腸菌数の増大が見られるものの,豊平①と③の間ほどは増加しなかった.これは,十勝川が豊平川より河川流量が多いことによる希釈効果のためであると考えられた.豊平①と③の間,十勝①と②の間における大腸菌負荷量についても十勝①と②間での増大が大きかった.十勝川について十勝③より下流において大腸菌数が減少していることも同様に希釈効果であると考えられた. 豊平川ではARGsは豊平①から⑤にかけて増加傾向にあった.blaIMPのみ豊平③から濃度が増大した.豊平③より上流において糞便性汚染は見られなかったため,blaIMPは下水以外の負荷源があることが示唆された.過去の研究でβラクタム系抗菌薬耐性遺伝子が大気経由で移動しやすいことが報告されていることから,豊平川にも大気経由でblaIMPが輸送されたことが考えられる.豊平川におけるmphEとmsrEの濃度はともに豊平④から増大した点で大腸菌数と同じ挙動を示したため負荷源は主に下水であることが考えられた.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
新型コロナウイルス感染症蔓延の影響で海外には行けていないが、来年度から海外で研究を遂行するための準備として、薬剤耐性遺伝子の分析方法を確立したので。
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今後の研究の推進方策 |
4年目は、研究を本格的に開始する。蛍光プローブを用いた大腸菌の分析サイトを増やす。地下水の分析も行う。若手研究者のネットワーク強化のため、代表者と若手研修者は渡航回数を増やす。日本で開発した微生物モニタリング技術を各国の若手研究者や大学院生に伝承する。引き続きオンラインで打ち合わせを行う。クリプトスポリジウム、クロストリジウム、カンピロバクター、コレラのDNAアプタマーの開発に着手する。並行してDNAプローブを用いたこれら5種の病原菌の検出を行い、すべての開発を終了する。分子生物学的手法を用いて飲料水中の微生物を網羅的に分析する。
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