研究課題/領域番号 |
20KK0101
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研究種目 |
国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(B))
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分23:建築学およびその関連分野
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研究機関 | 佐賀大学 |
研究代表者 |
三島 伸雄 佐賀大学, 理工学部, 教授 (60281200)
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研究分担者 |
渕上 貴由樹 佐賀大学, 理工学部, 助教 (00530172)
中山 功一 佐賀大学, 理工学部, 准教授 (50418498)
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研究期間 (年度) |
2020-10-27 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
18,850千円 (直接経費: 14,500千円、間接経費: 4,350千円)
2024年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2023年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2022年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2021年度: 5,590千円 (直接経費: 4,300千円、間接経費: 1,290千円)
2020年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
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キーワード | 世界遺産 / チェンマイ歴史地区 / 人的災害要因 / 防災危機管理 / 観光 / 避難分析 / 歴史的環境保全 / 危機管理計画 / 防災 / 歴史地区 / 危機管理分析基盤 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、チェンマイ大学社会科学研究所に直接赴き実施する共同研究であり、2015年度に世界遺産暫定リストに掲載されたチェンマイ歴史地区における防災計画の立案に対して、人的災害要因を考慮した同時多発的道路閉塞時に対する危機管理分析基盤を構築することを目的とする。堀で囲まれて外への避難経路が限定された歴史都市であるという点、地域の核になる位置に構成遺産である木造寺院が建っている点、狭隘街路にいわゆるショップハウスが密集し観光化も進んでいる点、アジア的な行商活動が活発で路上占拠が多くある点等を考慮した現地調査や分析を行う。これにより、同地区の世界遺産選定に向けた都市基盤整備・危機管理計画に寄与する。
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研究実績の概要 |
本研究は、チェンマイ歴史地区(以下、歴史地区)における人的災害要因による同時多発的な道路閉塞等を考慮した危機管理分析基盤を構築することを目的としている。本年度は、2回学生を帯同して調査を実施した他、大学院生を2名8月から2月末まで交換留学で派遣、2月半ばから3月まで大学院生1名を派遣し、データ構築ならびに分析を行なった(派遣旅費は別途確保)。具体的には、(1)歴史地区のウォーカビリティ指標の調査分析、(2)ピン川最大氾濫時におけるトリアージを考慮した避難分析、(3)大規模震災時におけるナイトマーケット(NMarket)の避難分析、(4)城壁遺跡を有する運河沿いの低所得者居住地区の調査、(5)大規模火災時を想定したフードマーケット(FMarket)からの避難分析に向けた調査である。 (1)は、当該目的を達成するための基本的なデータの構築と通常時の指標づくりを目的としている。すなわち、道路との接続性ならびに歴史的環境の魅力性から指標を構築し、ウォーカビリティの評価を行なった。(2)は、近年の都市開発の影響でピン川が氾濫した場合には最大5mの水害が生じることを踏まえて、災害時要援護者をトリアージした時とそうでない時の避難時間を分析し、トリアージの効果について検証を行なった。(3)は、歴史地区内で開催されるNMarketとその周辺地区の建物構造を調査した上で、その建物倒壊による瓦礫流出距離を算出し、NMarketの来訪者数際大時の避難分析を行ない、道路閉塞による避難不可領域を明らかにした。(4)は、水害も多くある居住環境と住民意識を明らかにした。(5)は、歴史地区にある3つのFMarketの建物構造、NMarketから400m範囲内の建物調査を実施した。 (2)(4)の一部の成果については、国際会議UIA2023で発表した。また、ArcGISでデータを構築した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2020年度と2021年度はコロナで全く渡航できず、2022年度に渡航して調査を開始することができた。2023年度においては研究代表者の渡航も2回実施することができ、学生派遣もできて、調査を実施することができた。そして、データ収集したものをArcGISに入力し、分析結果を出すことができた。しかし、当初予定していた国際会議の論文投稿は2本に止まり、現在投稿準備を進めている。 また、チェンマイの世界遺産申請についてはコロナ禍の影響を受けた後、他の史跡遺産が世界文化遺産登録で優先されることになった。そのため、危機管理計画の策定も全体的にゆっくり進められているところである。 以上より、「やや遅れている」と自己評価した。
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今後の研究の推進方策 |
チェンマイ大学に夏頃に渡航して、データ収集、研究打ち合わせを行う予定である。特に、2022年10月までJSPS外国人特別研究員で来日していてチェンマイ世界遺産コアチームのメンバーでもあるDr. Nattasit Srinurak講師、ならびに本研究代表者(三島伸雄)の研究室で2022年9月に博士号を取得したDr. Janjira Sukwai博士が学際研究研究所におり、また連携している同大学建築学部Umpiga Shummadtayar助教と研究を打合せする。 また、Umpiga助教の修士学生として上記(3)の研究を実施した吉田裕衣が留学している。さらに夏頃から佐賀大学修士の学生が交換留学で渡航する。また、チェンマイ大学から佐賀大学博士前期課程に留学しているKomsonを含めて調査を実施する。 一方で、11月にスペインで開催される国際会議Urban Transition2024に採択されれば、これまでの研究成果をさらに発表する予定である。 これらによって、研究を推進する。
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