研究課題/領域番号 |
20KK0104
|
研究種目 |
国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(B))
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分24:航空宇宙工学、船舶海洋工学およびその関連分野
|
研究機関 | 鳥取大学 |
研究代表者 |
松野 隆 鳥取大学, 工学研究科, 准教授 (90432608)
|
研究分担者 |
関本 諭志 東京農工大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (50783817)
郭 東潤 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構, 航空技術部門, 主幹研究開発員 (10358450)
青野 光 信州大学, 学術研究院繊維学系, 准教授 (10623712)
西田 浩之 東京農工大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (60545945)
|
研究期間 (年度) |
2020-10-27 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
18,720千円 (直接経費: 14,400千円、間接経費: 4,320千円)
2024年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2023年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2022年度: 4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2021年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2020年度: 4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
|
キーワード | 流体制御 / 境界層 / 乱流遷移 / 後退翼 / プラズマアクチュエータ |
研究開始時の研究の概要 |
旅客機の環境性能に大きな影響を与える巡航時の摩擦抵抗低減を目指し,プラズマアクチュエータにより主翼上の横流れ不安定による境界層遷移を制御する信頼性の高い手法を確立する.研究はオランダ・デルフト工科大学のKotsonis博士と共同で実施し,デルフト工科大学の時系列トモグラフィックPIVを用いて非定常流体場を高精度に計測し,流体制御時の不安定場の応答を調べる.この知見を基盤として,旅客機の飛行条件においても有効性を持つ制御手法を研究するとともに,遷移制御に必要な新しいプラズマアクチュエータ素子の開発・製作を行い,これらの研究成果によって次世代旅客機の低空力抵抗技術開発のブレークスルーを目指す.
|
研究実績の概要 |
後退翼の横流れ不安定による乱流遷移について,旅客機の飛行条件でも利用可能なプラズマアクチュエータ (PA) による制御手法を確立することを目的として研究を行っている.本年度は,横流れ制御に最適化した極低擾乱PAを用いた遷移メカニズムの解明とその性能向上方法についての検討を行った. 本研究で開発を行った導電性ナノ粒子塗装を用いた境界層制御用PA電極により,翼前縁の境界層に擾乱等の影響を与えず境界層制御が可能であることを昨年度までに示した.今年度はPA制御の効果の最大化およびそのための指針を得るために,制御時・非制御時の遷移プロセスを実験的に詳細に調べた.風洞試験の結果から,横流れ不安定性が支配的な流れ場において,プラズマアクチェータ非駆動時では前縁部で横流れ渦が生じ,横流れ渦によって形成されたせん断層に高周波モード (type I) の二次不安定が生じることで乱流遷移することが示された.プラズマアクチェータ駆動時は横流れ渦の発生・成長抑制が確認された.発生した横流れ渦はプラズマアクチェータ非駆動時に発生した横流れ渦と比べて弱いため低速流塊の巻き上げが弱くせん断層形成が抑制されるため,type I の二次不安定が抑制され,低周波モード (type III) による乱流遷移が生じることを示唆する結果を得た.これは,本実験条件ではプラズマアクチェータ駆動時においても横流れ渦が発生していることを示しており,横流れ速度成分の更なる低減が遷移抑制効果の向上に必要であることが明らかになった.
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
COVID-19の影響で国外との調整が遅れ,風洞実験計画が変更されているため.
|
今後の研究の推進方策 |
極低擾乱PAについては,旅客機主翼後退翼の境界層流れへの適用時の設置位置について,数値解析を用いた最適設計法を適用し性能予測を行う.風洞試験については低乱風洞における低乱れ度の主流における信頼性の高い情報を集め,制御コンセプトの信頼性向上と適用範囲の拡大の可能性を示す.COVID-19の影響により国外試験の状況も変化しているが,海外研究者と調整し試験および協力を進めて行く方法について早急に調整を行い成果を創出する.
|