研究課題/領域番号 |
20KK0132
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研究種目 |
国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(B))
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分39:生産環境農学およびその関連分野
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
志柿 俊朗 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 特任研究員 (90825217)
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研究分担者 |
前島 健作 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 准教授 (20726062)
宮崎 彰雄 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 特任助教 (70847748)
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研究期間 (年度) |
2020-10-27 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
18,590千円 (直接経費: 14,300千円、間接経費: 4,290千円)
2024年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2023年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2022年度: 5,200千円 (直接経費: 4,000千円、間接経費: 1,200千円)
2021年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
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キーワード | ファイトプラズマ / ゲノム解析 / フィリピン / ソロモン / ブーゲンビル / ソロモン諸島 / パプアニューギニア / LAMP法 / 分子疫学 / 遺伝的多様性 / ゲノム / 太平洋島嶼国 / LAMP |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、太平洋島嶼国の農業生産上の脅威となっている昆虫媒介性病害ファイトプラズマ病に関して、(1)独自の高性能検出系を用いて、作物並びに周辺の中間宿主植物における感染状況を網羅的に解明し、(2)新たに開発した高効率ゲノムシーケンシング技術により、島嶼地域におけるファイトプラズマの遺伝的多様性を解明し、宿主範囲および伝染環を特定する。これらの結果をもとに(3)ファイトプラズマの多様性獲得の進化メカニズムを明らかにするとともに、多様性にもとづいた新たな観点での予防技術を開発することを目的とする。
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研究実績の概要 |
2022年度中、コロナウイルスの影響などもあり調査対象となっている各国への渡航は困難で、物資のやり取りにも時間を要する状況であったが、フィリピンとソロモン諸島においては幸い現地研究者の多大な協力があった。特に年度内では、ソロモン諸島から送られたFTAカードによる感染植物サンプルの解析が進んだ。LAMP・PCR陽性のサンプルが6検体見つかり、シーケンス解析の結果、全て同じ種に属するファイトプラズマと同定され、現地における伝染環の一端が明らかになった。 フィリピンでは現地の協力者が多数のサンプル採集を行ったが、DNAの解析は行われていない。但し、フィリピン各島で採集された植物の病徴を見る限り、ファイトプラズマに感染していると思われるものが多数ある。 ブーゲンビルでの調査は現地からの情報が乏しく、渡航・調査に至っていない。ただし、過去にファイトプラズマ感染の植物は報告されており、適宜現地情報の収集に努めた。 加えて、これまで未確立となっていた、同種のファイトプラズマ系統間における遺伝的近縁性の評価手法として、全ゲノム情報を用いることの有用性を評価した。その結果、全ゲノム情報に基づく比較により、同じ地域の異なる宿主植物、あるいは異なる地域の同種の宿主植物から得られたファイトプラズマに関して、近縁性を正しく評価できると考えられる結果が得られた。本法は、今後の島嶼部におけるファイトプラズマの伝染環の解明に役立つことが期待される。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究開始から2022年度まで、コロナウイルスによる渡航制限があり、現地渡航が非常に難しい状況であった。また、フィリピンやソロモン諸島の現地においても活動は制限され、調査やサンプル採集が予定通りに進まなかった。ただし、オンラインによる頻繁なミーティングを行い、現地協力者にも、状況下出来得る限り活動していただいたため、サンプルがかなり収集できたのは幸運であった。従って全体としてはやや遅れている程度である。
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今後の研究の推進方策 |
2023年5月現在コロナウイルスによる渡航制限はほぼ解除されている。そのため積極的な渡航が可能になると思われる。これまでの様にFTAカードのみではなく、実際の植物体やDNAを直接持ち帰る事が可能となる。2023年度中に渡航してのサンプリングは終えて、解析に注力するようにしたい。
フィリピンでの学会は現地情報を得るのに貴重な機会であるが、これまでコロナウイルスの影響で中止あるいはオンラインでの開催であった。本年度より現地開催となり、活発な情報収集ができるようになると思う。また、現地の協力者の方にも日本を訪問していただこうと考えている。
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