研究課題
国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(B))
本研究では、線虫感染機構に関わる基礎研究を行う。既に得られているサツマイモネコブセンチュウの誘引物質を元に、我々は、既にセンチュウの受容体候補を得ている。様々な線虫類を用いることで、様々なリガンドー受容体を明らかにし、センチュウの宿主選択における進化がどのような分子進化により可能になったかを考察する。
植物感染性線虫の農業被害は、年間数十兆円と試算されている。本研究では、植物感染性線虫の感染機構において、植物の線虫誘引活性に注目し、植物と線虫の相互作用に関する研究を展開する。我々は、これまでに、サツマイモネコブセンチュウの植物誘引物質を複数単離してきており、受容体候補も得ている。本申請研究では、多くの線虫類のゲノム情報を用いて、誘引物質ー受容体の組合せに関する情報量を増やし、そのバリエーションについて網羅的に理解することを目的としている。2022年度は、サツマイモネコブセンチュウの形質転換にVISUAL法をもちいた培養法を組み合わせ、試験した。VISUAL法と組み合わせた場合、葉の中で線虫の発生が進む場合、まわりの植物組織がカルス化することがわかった。また、このカルスの中の線虫を形質転換は技術的に困難である事がわかった。一方、植物感染性線虫の受容体候補について、その機能を調べるために、C.elegansを用いた実験系を検討した。この実験系では、植物感染性線虫の誘引物質の受容体候補をC.elegansに導入し、C.elegansが、その植物感染性線虫の誘引物質を認識出来るようになるか試験する、というものである。これまでに、どのような誘引物質がC.elegansでも有用か、その候補についてピックアップした。また、2022年度には、フランス側の研究者を招聘し、国際シンポジウムの開催と、共同研究の実施も行い、国際交流の活発化を図った。
2: おおむね順調に進展している
2022年度には、相手国側受入教員のBruno Favery博士を熊本に招き、共同研究打合せを行うと共に、国際シンポジウムにより日仏間の研究者コミュニティーの交流を行った。また、共同研究の推進により、誘引物質・忌避物質の精製などが進展した。
本研究の大きな目的の1つである国際研究交流として、研究代表者澤と共同研究者の門田・新屋が渡仏し、研究打ち合わせと共同研究の実施を行う。特に、フランス側は、線虫誘引活性の評価に、特殊なスライドガラスを用いた評価系を利用していることから、その評価系について学び、日本側でもその技術が使えるようにし、新たな線虫行動評価系を確立する。
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すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (33件) (うち国際共著 19件、 査読あり 33件、 オープンアクセス 11件) 学会発表 (21件) (うち国際学会 2件、 招待講演 4件)
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