研究課題/領域番号 |
20KK0148
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研究種目 |
国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(B))
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分41:社会経済農学、農業工学およびその関連分野
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
安武 大輔 九州大学, 農学研究院, 准教授 (90516113)
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研究分担者 |
原田 裕一 九州大学, グローバルイノベーションセンター, 教授 (50393781)
三好 悠太 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 高崎量子応用研究所 放射線生物応用研究部, 主任研究員 (60855724)
日高 功太 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 九州沖縄農業研究センター, 主任研究員 (80547232)
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研究期間 (年度) |
2020-10-27 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
18,590千円 (直接経費: 14,300千円、間接経費: 4,290千円)
2023年度: 5,720千円 (直接経費: 4,400千円、間接経費: 1,320千円)
2022年度: 5,850千円 (直接経費: 4,500千円、間接経費: 1,350千円)
2021年度: 5,200千円 (直接経費: 4,000千円、間接経費: 1,200千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | Liquid Air / 局所冷却 / 複合環境調節 / ヒートポンプ冷房 / 温室 / CO2施用 / 超節水 / 施設農業 / 高温ストレス回避 / CO2漏出抑制 / 水蒸気回収 |
研究開始時の研究の概要 |
施設農業の生産性の制限要因群を解消するため,次世代の冷熱エネルギーLiquid Air Coolingを核とした複合環境調節に関する以下3目標に取り組む: 目標1:暖候期植物生産に資する局所冷却による高温ストレスの回避と栄養・生殖成長の制御 目標2:高効率CO2施用に資する精密な冷熱流制御による温室外へのCO2漏出の抑制 目標3:超節水栽培に資する蒸発散に由来する温室内水蒸気の凝結回収利用 これらの3目標を日本と英国の2ヶ国4機関の国際共創によって達成し,経済性も含めた実用化・普及化に向けた中期的な方針を提示することで,近年の生産性の停滞を打破できる施設農業システムの躍進(ブレークスルー)を目指す.
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研究実績の概要 |
新型コロナの影響で海外訪問ができない状況への対応として,令和3年度から温室において冷却(冷熱)を十分に利用可能であった場合に,温室環境と植物生理生態機能に及ぼす影響について先行的な調査を国内で開始していた.前年度(令和4年度)は,植物群落(輪ギク)周辺のみの局所的な冷房を適用することによって,暖候期昼間の効果的な温室冷房が実現可能かどうか,主に観測実験によって検討した.令和5年度は,暖候期昼間の効果的なヒートポンプ冷房の可能性をさらに検討するために,作物局所冷房下における温室の熱流解析をCFDシミュレーションに基づいて実施した.温室全体の冷房条件では,群落周辺の気温分布が無冷房条件とほぼ変わらず冷房の効果は見えなかったが,局所冷房では作物群落領域は20~27℃の温度環境が形成され,暖候期昼間の冷房効果が示唆された.また,屋外風速が増加するほど,主に天窓からの熱の流出が増加して温室内上中層の温度が低下し,温室内の温度分布がより均一化し,局所冷房の効果は低下する結果となった. 一方,前年度末から代表者の安武と国内分担者の原田,日高の3名で共同研究機関であるバーミンガム大学のエネルギーイノベーションセンターを訪問してProf. Petersとも打ち合わせを行い,地球温暖化条件下における冷熱利用の構想について議論を進めていた.その過程で提案された,「1st International conference and workshop on climate adaptation and resilience」での本取り組み・成果の発表を,令和5年9月に行った.代表者安武と分担者原田での口頭発表をベースに,当該会議参加者によって報告書を「The Hot Reality: Living in a +50°C World」として取りまとめた.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当該研究課題は令和2年度からスタートしたが,新型コロナの影響によって国内分担者の対面打ち合わせはもちろん,バーミンガム大学のToby Peters教授を訪問して研究打ち合わせ・実験を行うことができなかった.同時に,日本国内でも実施可能な冷却実験とシミュレーションを実施し,関連する成果を出す取り組みはしていたものの,肝心のバーミンガム大学Toby Peters教授との共同研究は実施できていなかった.令和4年度の後半になってやっとコロナによる海外出張の規制が緩和されたことから,2023年2月末に第一回目の英国訪問を実施し,共同研究機関の担当者および研究者らとの有意義な意見交換を実施することができた.その後,Toby Peters教授との協議を急ぎ進め,これまで日本国内で進めていた成果も含めて,国際会議・ワークショップ「1st International conference and workshop on climate adaptation and resilience」に参加し,またバーミンガム大学と共同で「The Hot Reality: Living in a +50°C World」とした報告書を取りまとめる至った. しかしながら,これは当初予定より約2年遅れての実施であるため,全体の進捗として「やや遅れている」と判断した.
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今後の研究の推進方策 |
令和5年度末に,国際会議・ワークショップ「1st International conference and workshop on climate adaptation and resilience」でとりまとめた報告書「The Hot Reality: Living in a +50°C World」を完成させるに至った.今後は,この報告書を日本国内で公表するための準備(和訳等)を行い,国際共同研究・活動の成果の公表を図る.また,共同研究者であるバーミンガム大学のToby Peters教授を日本に招聘し議論することで,今後の国際共同研究活動の持続可能な在り方について検討する予定である.
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