研究課題/領域番号 |
20KK0150
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研究種目 |
国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(B))
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分41:社会経済農学、農業工学およびその関連分野
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研究機関 | 国立研究開発法人国際農林水産業研究センター |
研究代表者 |
鬼木 俊次 国立研究開発法人国際農林水産業研究センター, 社会科学領域, 主任研究員 (60289345)
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研究分担者 |
平田 昌弘 帯広畜産大学, 畜産学部, 教授 (30396337)
坂本 剛 中部大学, 人文学部, 教授 (30387906)
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研究期間 (年度) |
2020-10-27 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
18,590千円 (直接経費: 14,300千円、間接経費: 4,290千円)
2023年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2022年度: 7,150千円 (直接経費: 5,500千円、間接経費: 1,650千円)
2021年度: 6,110千円 (直接経費: 4,700千円、間接経費: 1,410千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 牧畜 / 規範 / 行動経済学 / 文化人類学 / 社会心理学 / 乾燥地 / 道徳 / 草地 / 社会規範 / 計量経済モデル / 倫理 / 牧畜民 / 開発経済学 / 計量経済学 / 心理学 |
研究開始時の研究の概要 |
途上国の遊牧地域では市場経済の進展とともに都市周辺に遊牧民が集まり、その地域では家畜の過放牧による草原の砂漠化が起こりつつある。本研究は、モンゴル生命科学大学を研究拠点として、市場経済が遊牧民のモラル意識に及ぼす影響やコミュニティーの草原保全的な社会規範に及ぼす影響を計量的に推定する。また分析結果を用いて、モラル意識の向上と社会規範形成のための介入の効果について検討する。本研究により、市場経済化の著しい途上国の農牧業開発において、モラルや規範への影響を考慮した援助プログラムの立案に資する知見が得られる。
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研究成果の概要 |
本研究は、モンゴル国において、都市部の市場経済が牧畜民の移動に関する規範やモラル意識、協力行動に影響を及ぼすことを見いだした。牧畜民世帯の参与観察により、牧畜民のモラル意識と草地の保全的利用に関する社会規範の実態を明らかにした。また、社会心理学と行動経済学の手法を用いた定量的な分析により、牧畜民の季節的移動および自然災害時の避難的移動の両方において、市場経済化の影響で牧畜民の協調的な行動が減少する傾向があることを明らかにした。現地研究者との共同調査の実施と2回の国際ワークショップにより、新たな牧草地利用規範の構築の必要性が提議された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、文化人類学、社会心理学、行動経済学の手法を組み合わせることによって、市場経済が牧畜民の移動に関する関するモラル意識や社会規範に影響を及ぼす重層的なメカニズムを示した。これにより、住民のモラル意識に直接働きかけるような活動や介入を行うことによって、資源保全的な社会規範を形成する可能性が示唆された。本研究において、こうした手法が共有資源管理に関する住民の行動分析に応用できることが分かったため、その他の共有自然資源に関する研究にも用いられる可能性がある。
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