研究課題/領域番号 |
20KK0153
|
研究種目 |
国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(B))
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分42:獣医学、畜産学およびその関連分野
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
中川 貴之 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 准教授 (40447363)
|
研究分担者 |
加藤 大貴 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 特任助教 (60843216)
酒居 幸生 大阪公立大学, 生命環境科学研究科, 助教 (90844192)
吉本 翔 麻布大学, 獣医学部, 学振研究員 (70909168)
|
研究期間 (年度) |
2020-10-27 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
18,720千円 (直接経費: 14,400千円、間接経費: 4,320千円)
2023年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2022年度: 6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2021年度: 6,890千円 (直接経費: 5,300千円、間接経費: 1,590千円)
2020年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
|
キーワード | 犬 / 固形腫瘍 / CAR-T細胞療法 / 免疫療法 / 腫瘍免疫療法 / CAR-T細胞 / 免疫 / T細胞 / 腫瘍 / 腫瘍免疫 / 遺伝子改変T細胞療法 / 細胞療法 |
研究開始時の研究の概要 |
犬の悪性固形腫瘍は犬の主要な死亡原因の一つである。その新たな治療法として免疫療法が注目されている。申請者らは、獣医療で普及している免疫細胞療法である活性化リンパ球(LAK)療法の治療効果向上を目指して、T細胞の遺伝子改変により、腫瘍特異性と細胞傷害活性 を付与した人工抗腫瘍T細胞(CAR-T細胞)療法の開発に取り組んできた。本研究では、犬血液腫瘍に対するCAR-T細胞研究の世界的な権威である米国ペンシルバニア大学獣医学部 Mason准教授らの協力を得て、犬固形腫瘍に対して強力な抗腫瘍効果を示すCAR-T細胞のシグナル分子を解明するための国際共同研究に取り組む。
|
研究実績の概要 |
本研究の目的は、申請者が同定してきた標的抗原HER2およびPDPNに対するCAR-T細胞の最適なシグナル分子を検証し、同定することである。本研究の実施にあたっては、犬血液腫瘍に対するCAR-T細胞の研究を行なっており、大型の設備・施設を保有している米国Mason准教授との共同研究を行う。 本研究計画は国内および米国における新型コロナ感染症の蔓延とそれに伴う制限のために計画変更を余儀なくされたが、国内の研究者と米国に派遣した研究者の円滑なコミュニケーションのもと研究計画の軌道修正を行い研究推進に成功している。 今年度は、米国の共同研究者のもとへ分担研究者1名を1年間派遣し、研究を推進した。また国内の大学においても並行して実験を進め、順調にデータが得られている。米国ペンシルバニア大学共同研究先においては、共刺激分子として、①CD3zのみ、②CD3z&CD28、③CD3z&4-1-BB、④CD3z&ICOSという4パターンのCAR-T細胞を作製し、解析を進めている。昨年度、明らかになったサイトカイン産生能や増殖能の違いに加え、疲弊分子マーカーの発現や連続抗原刺激による抗腫瘍機能の差異など、臨床例における治療効果への影響が大きいと想定されるT細胞機能が各シグナル分子を持つCAR-T細胞ごとに異なることを見出した。今後より詳細な解析を進めていく。 国内においては、CAR-T細胞に搭載する抗HER2抗体の各種犬の腫瘍および猫の腫瘍に対する結合性を検証し、複数の腫瘍種にわたって抗HER2抗体が結合することを確認できた。これにより、抗HER2-CAR-T細胞が犬猫の様々な腫瘍種を標的にできること、またその標的腫瘍種を同定することに成功した。今後、それら標的腫瘍種を対象にCAR-T細胞療法の有効性を検証していく。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
新型コロナウィルス感染症に伴う制限はあったものの、米国の共同研究先に分担研究者を派遣し研究推進ができ、着実に実験データが得られているため。
|
今後の研究の推進方策 |
昨年度に引き続き、作製した各種共刺激分子を組み込んだCAR-T細胞の特性比較のための実験を米国および国内で行っていく。
|