研究課題/領域番号 |
20KK0159
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研究種目 |
国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(B))
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分44:細胞レベルから個体レベルの生物学およびその関連分野
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
中津 史 新潟大学, 医歯学系, 准教授 (50360607)
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研究分担者 |
河嵜 麻実 新潟大学, 医歯学系, 特任講師 (10609358)
高杉 俊之 新潟大学, 医歯学系, 特任助教 (40823224)
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研究期間 (年度) |
2020-10-27 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
18,720千円 (直接経費: 14,400千円、間接経費: 4,320千円)
2022年度: 5,590千円 (直接経費: 4,300千円、間接経費: 1,290千円)
2021年度: 7,020千円 (直接経費: 5,400千円、間接経費: 1,620千円)
2020年度: 6,110千円 (直接経費: 4,700千円、間接経費: 1,410千円)
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キーワード | クライオ電子線トモグラフィー / 脂質交換輸送ゾーン / クライオ電子トモグラフィー / 電子顕微鏡 / メンブレンコンタクト / 脂質交換輸送 |
研究開始時の研究の概要 |
膜接触部位とは細胞膜やオルガネラ膜などの生体膜同士が近接する領域で、脂質の交換輸送の場(脂質交換輸送ゾーン)となることがわかってきた。しかし、その脂質交換輸送ゾーンの機能的情報を含んだ三次元超微細構造に関する知見は、技術的な問題から未だ十分には得られていない。そこで本研究では、ゲッティンゲン大学との共同研究によるクライオ電子トモグラフィーを用いた形態学的アプローチにより、その解明を目指す。
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研究実績の概要 |
昨年度樹立した安定発現細胞株を用いて、まずイメージング解析により脂質交換輸送ゾーンを詳細に解析し、脂質交換輸送ゾーンには極めて動的な状態のものと、比較的動きの少ない安定的なものが存在することが明らかになった。また、脂質交換輸送ゾーンにおいて共局在する脂質輸送タンパク質と、そうでない脂質輸送タンパク質とが存在することも判明した。さらに、脂質輸送タンパク質の機能欠損による脂質交換輸送ゾーンへの影響を解析したところ、脂質交換輸送ゾーン形成に大きく影響するものとそうでないものが存在していた。 また、本年度も海外渡航規制のために、クライオ電子線トモグラフィー解析による超微細構造の解析を、海外において行うことができなかった。そこで、前年から着手している通常の電子顕微鏡を用いた微細構造の解析を進めた。パラホルムアルデヒドとグルタルアルデヒドの混合液を用いた化学固定が最も固定状況が良好であったため、この方法を選択した。その後の工程は定法にしたがって電子顕微鏡解析のためのサンプル調整を行った。あらかじめGFP融合タンパク質として低レベルに発現させることで脂質交換輸送ゾーンを可視化しておき、これを共焦点顕微鏡により観察・データ取得を行い、電子顕微鏡観察の対象領域を事前に決定した。GFP蛍光が存在する細胞膜領域近辺に網目状の小胞体が接する領域を電子顕微鏡観察により捉えることができた。その領域を目印に、電子顕微鏡データの取得を行った。現在、複数の細胞における脂質交換輸送ゾーンの電子顕微鏡像の取得に成功している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
安定発現細胞株を用いたライブイメージングにより脂質交換輸送ゾーンの動態解析を行い、その動的特性に関する知見を得た。また、通常の電子顕微鏡を用いた微細構造の解析から、複数の細胞における脂質交換輸送ゾーンの電子顕微鏡像の取得に成功している。しかしながら、本年度も海外渡航規制のために、クライオ電子線トモグラフィー解析による超微細構造の解析を行うことができなかったため、これを次年度へ持ち越さなくてはならない状況となった。
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今後の研究の推進方策 |
今年度は、これまで渡航規制のために実験を行うことができなかった海外での共同研究者とのクライオ電子線トモグラフィー解析による超微細構造の解析を優先して進めるとともに、前年から着手している通常の電子顕微鏡解析も合わせて解析を進める。
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