研究課題/領域番号 |
20KK0171
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研究種目 |
国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(B))
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分46:神経科学およびその関連分野
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研究機関 | 同志社大学 |
研究代表者 |
坂場 武史 同志社大学, 脳科学研究科, 教授 (80609511)
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研究分担者 |
三木 崇史 秋田大学, 医学系研究科, 教授 (10598577)
坂本 寛和 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 助教 (10837397)
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研究期間 (年度) |
2020-10-27 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
18,850千円 (直接経費: 14,500千円、間接経費: 4,350千円)
2024年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2023年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2022年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2021年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2020年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
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キーワード | シナプス / 神経 / 可塑性 |
研究開始時の研究の概要 |
シナプスの伝達強度は一定ではなく、可塑的な変化を示す。シナプス可塑性、特にcAMP依存的なシナプス可塑性は動物種に限らず広く存在し、また、動物の学習・記憶に重要な役割を担うと考えられている。本研究では、学習・記憶に重要な役割を担うげっ歯類海馬において、苔状線維―CA3錐体細胞シナプスのcAMP依存的なシナプス可塑性メカニズムを、特に可塑性誘導後の時間経過に伴うメカニズム遷移の可能性に注目し、日本とドイツの共同研究によって解明する。
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研究実績の概要 |
本年度は、昨年度に継続して、シナプス前終末active zoneタンパク質RIMBP2のシナプス伝達における役割を明らかにすべく、ドイツSigrist研究室から供与を受けたKOマウスを用いた解析を行った(Miyano et al., 2024, eLife)。マウス海馬急性スライス標本において、海馬苔状線維シナプス前終末から直接パッチクランプ電気記録を行ったところ、KO標本では、脱分極パルスに対するシナプス前終末Ca電流の振幅が減少した。また、膜容量測定で観察されるシナプス小胞開口放出量の減少が見られた。KOシナプスにおける開口放出量の減少は、細胞外Ca濃度を上昇させることで大部分が元に戻った。脱分極パルスではなく、生理的な活動電位によって誘発されたシナプス応答を測定するため、苔状線維の連発電気刺激に対するシナプス後電流を測定した。RIMBP2 KOマウスでは、シナプス後電流の振幅はWTよりも小さかった。Ca電流の減少を補正すべく、KOで細胞外液Ca濃度を上昇させるか、WTで細胞外液のCa濃度を減少させると、WTとKOの連発刺激に対するシナプス応答の時間経過は似たものとなったが、完全な一致は見られなかった。RIMBP2 KOマウスではCa電流の減少以外にも伝達物質放出機構の阻害が起こっている可能性が示唆された。KOマウスにおけるCa電流量の減少が、Caチャネル密度の減少によるものか、あるいはチャネルの開閉機構の修飾によるものかを明らかにするために、STED顕微鏡で苔状線維シナプス前終末Caチャネルの密度を調べたところ、KOではチャネル密度の減少が確認できた。以上の結果から、RIMBP2はおもにCaチャネル密度制御に重要な役割を担っていることが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
当初のcAMPによるシナプス伝達制御については、既に論文として公刊している(Fukaya et al., 2021, PNAS)。現在、多様な可塑性メカニズムの解析など進めており、研究としては当初の計画以上に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
現在進行中の研究を順調に発展させ、論文を公刊させることに注力したい。
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