研究課題/領域番号 |
20KK0186
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研究種目 |
国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(B))
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分50:腫瘍学およびその関連分野
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研究機関 | 国立研究開発法人理化学研究所 |
研究代表者 |
村川 泰裕 国立研究開発法人理化学研究所, 生命医科学研究センター, チームリーダー (50765469)
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研究分担者 |
山田 真太郎 京都大学, 医学研究科, 助教 (20837869)
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研究期間 (年度) |
2020-10-27 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
18,720千円 (直接経費: 14,400千円、間接経費: 4,320千円)
2022年度: 4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2021年度: 4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2020年度: 9,360千円 (直接経費: 7,200千円、間接経費: 2,160千円)
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キーワード | エンハンサー / 発現 / 早期転写応答 / 乳がん / c-MYC / ATM / エストロゲン / ノンコーディングRNA / 遺伝子発現 / 発がん / ヒトゲノム科学 / 遺伝子発現制御 / 発癌 |
研究開始時の研究の概要 |
ヒト遺伝子の発現は、エンハンサー配列が制御する。そして、既知のエンハンサーの10倍以上の未知エンハンサーが存在することが示唆されている。申請者は、世界最高感度で機能的なエンハンサーを検出する手法を開発した。本課題では、NYメモリアルスローンケタリング癌研究病院とのタイトな国際共同研究のもと、乳がんや精巣腫瘍のエンハンサー解析を通して、発がんプロセスの根本的な理解を目指す。
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研究成果の概要 |
本研究では、研究代表者らが開発したNET-CAGE法(Nature Genet 2019) を用いて、女性ホルモン(エストロゲン)依存的なエンハンサー(転写制御配列)を新規に数多く同定した。そして、米国メモリアルスローンケタリング癌研究病院との国際共同研究により、上記エンハンサーにみられる乳癌ゲノムの変異や、精巣癌に関連するエンハンサーを網羅的に解析する基盤を作った。さらにATM遺伝子が欠損したヒト乳癌細胞とマウスの解析を行った。結果、ATMが、エンハンサーに入るDNA切断の修復を促進し、エストロゲン曝露後の癌遺伝子の過剰発現を抑制する新しいモデルを提唱した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
遺伝子の発現は、エンハンサーという塩基配列が制御する。本研究は、乳癌と精巣癌に関わるエンハンサーに着目し、既知エンハンサーの10倍以上と考えられる未知エンハンサーを数多く同定した。またエンハンサーに入るゲノム切断の修復をATMキナーゼが促進すること、ATMの欠損によりエストロゲンによる癌遺伝子の発現や細胞増殖刺激効果が上昇することを示した。エストロゲンは乳癌発生の必須因子である。また乳癌の5-10%は遺伝性で、変異遺伝子の一つがATMである。本研究の成果は、エンハンサーを介した発癌機序の理解、そしてATM遺伝子の変異によるエストロゲン依存的な乳腺の特異的発癌促進機構の解明に貢献した。
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