研究課題/領域番号 |
20KK0187
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研究種目 |
国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(B))
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分50:腫瘍学およびその関連分野
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研究機関 | 国立研究開発法人国立がん研究センター |
研究代表者 |
大橋 紹宏 国立研究開発法人国立がん研究センター, 先端医療開発センター, ユニット長 (80835249)
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研究分担者 |
向原 徹 国立研究開発法人国立がん研究センター, 東病院, 科長 (80435718)
桑田 健 国立研究開発法人国立がん研究センター, 東病院, 部門長 (00327321)
堀居 拓郎 群馬大学, 生体調節研究所, 准教授 (00361387)
鹿島 幸恵 東京大学, 大学院新領域創成科学研究科, 特任助教 (80831883)
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研究期間 (年度) |
2020-10-27 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
18,850千円 (直接経費: 14,500千円、間接経費: 4,350千円)
2023年度: 4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
2020年度: 5,200千円 (直接経費: 4,000千円、間接経費: 1,200千円)
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キーワード | BRCA2 / 意義不明変異(VUS) / 家族性乳癌・卵巣癌症候群(HBOC) / 5’非翻訳領域に位置する新規BRCA2変異 / スプライシング異常 / 新規生殖細胞突然変異 / 家族性乳がん・卵巣がん |
研究開始時の研究の概要 |
我々が同定した新規BRCA2変異とHBOC症候群の病的変異との関連を明らかとするために、日本国内の3施設、4名の共同研究者(向原、桑田、鹿島、堀居)および海外共同研究者(Dr. Fergus Couch, Mayo Clinic)と研究協力体制を構築し、各研究者の強みを生かした国際競争力のある統合解析を進めていく予定である。各研究分担者の強みを発揮した「研究拠点型」かつ「国境横断型」を両立させたグローバル研究マネージメントを推進させる。日本国内では「臨床データ・基礎データの収集」、海外の研究では「検証・比較実験」に焦点を置いた研究役割分担を予定している。
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研究成果の概要 |
BRCA2解析に特化した分子・細胞生物学的アプローチ、臨床データベースや臨床検体サンプル用いた解析を実施した。①健常者と比較して発端者のBRCA2 mRNAではイントロン1の挿入が顕著に観察され、またこのイントロン1挿入型BRCA2 mRNAの多くはBRCA2変異を有する発端者母方アレル由来であった。②レポーターアッセイの結果から変異型BRCA2ではイントロン1のスプライシング異常が生じるため、BRCA2の成熟型mRNAおよびタンパク質の発現が強く抑制されていることが考えられる。③発端者乳がん組織では、BRCA2のタンパク発現が著しく低下しており、BRCA2の機能欠損が生じている可能性が高い
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
今回我々は遺伝子パネル試験(NCCオンコパネル)において、家族性乳癌・卵巣癌症候群(HBOC)症候群の乳がん患者(発端者)から、開始コドンより上流部の5’非翻訳領域に位置する新規BRCA2変異を同定した。この新規変異は、エクソン1とイントロン1の連結部分のイントロン側に位置する1塩基置換(c.-40+1 G>A)で、エクソン2内の開始コドン以降の変異解析を行う一般的なBRCA2変異解析検査では検出し得ない領域である。我々が同定した新規BRCA2 VUS(c.-40+1 G>A)の病的変異との関連を明らかとする生物学的意義に加え、HBOC症候群の新たな治療戦略に大きく影響を及ぼすと考えられる。
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