研究課題/領域番号 |
20KK0189
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研究種目 |
国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(B))
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分51:ブレインサイエンスおよびその関連分野
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
肥後 剛康 京都大学, 医学研究科, 講師 (10396757)
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研究分担者 |
一戸 紀孝 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター, 神経研究所 微細構造研究部, 部長 (00250598)
後藤 明弘 京都大学, 医学研究科, 特定准教授 (10741332)
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研究期間 (年度) |
2020-10-27 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
18,720千円 (直接経費: 14,400千円、間接経費: 4,320千円)
2024年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2023年度: 5,200千円 (直接経費: 4,000千円、間接経費: 1,200千円)
2022年度: 6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2021年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | fMRI / 霊長類 / 高次脳機能 / 神経回路操作 / サルfMRI / 前頭前野 |
研究開始時の研究の概要 |
ヒトを含む霊長類の高次脳機能は顕著に発達した大脳内の神経回路によって制御されるが、そのメカニズムの詳細は不明な点が多く、生命科学における最重要課題の1つとなっている。そこで、本共同研究では、ヒトに代替する実験動物としてマカク属サルを用いた研究を展開する。先ず、全脳マッピングを世界で唯一サル機能的磁気共鳴画像法に成功している英国オックスフォード大学のグループと連携することで行い、高次脳機能制御の責任部位を同定する。更に、同定した脳部位間ネットワークへ代表者が開発済みである神経操作技術を適用することで、霊長類の高次脳機能制御の神経メカニズムを明らかにし、神経科学分野を国際的にリードする。
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研究実績の概要 |
ヒトを含む霊長類は、「推測」や「意思決定」いった高次脳機能を有することで複雑な環境に対応している。これら脳機能は、顕著に発達した大脳内の神経ネットワークによって制御されると考えられているが、その詳細は不明な点が多く、生命科学における最重要課題の1つとなっている。この問題解決には、(1) 巨大な大脳内での重要な領域の同定(全脳マッピング)と(2)同定した脳部位間の神経ネットワークの重要性を因果的に証明する作業が必須である。しかし、ヒトでは技術的かつ倫理的制限のため、これらの検証が極めて困難な状況にある。本研究目的は、霊長類高次認知機能の制御メカニズムの因果的証明であり、研究当初は以下の2点から構成された。(1)日本国内において実現不可能なマカクザルfMRIによる全脳マッピングを英国オックスフォード大学と連携することで遂行し、高 次脳機能「推測」と「意思決定」制御の責任脳部位を同定する(2) 同定された脳部位間ネットワークへ申請者が独自に開発した神経遮断遺伝子発現系を導入し、ネットワークの重要性を因果的に証明する。しかし、世界的COVID19感染状況下における移動制限により、(1)の遂行に大幅な遅延が発生したため、まずは本邦においてヒトfMRIを行い、同定された高次脳機能制御の責任部位と同等領域をマカクザルにおいて定位する方針に変更した。ヒトfMRI実験は順調に遂行され、良好な成果が得られており、現在、マカクザルにおける相同領域を定位した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究目的は、霊長類高次認知機能の制御メカニズムの因果的証明であり、(1)日本国内において実現不可能なマカクザルfMRIによる全脳マッピングを英国オックスフォード大学と連携することで遂行し、高次脳機能「推測」と「意思決定」制御の責任脳部位を同定する(2) 同定された脳部位間ネットワークへ申請者が独自に開発した神経遮断遺伝子発現系を導入し、ネットワークの重要性を因果的に証明することを目的に研究を開始した。しかし、世界的COVID19感染状況下における移動制限により、(1)の遂行が困難なため、(2)の神経遮断遺伝子発現系のサルでの最適化を国内において優先遂行した。次に、当初のアプローチを本邦においてヒトfMRIを行い、同定された高次脳機能制御の責任部位と同等領域をマカクザルにおいて定位する方針に変更した。結果、ヒトfMRI実験は順調に遂行され、 良好な成果が得られており、マカクザル脳での相同領域を定位した。しかし、半年から1年を想定していたマカクザル高次脳機能評価課題の訓練が、予定通りに進まず、1年程度の遅延が発生している。
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今後の研究の推進方策 |
訓練に遅延が発生したサル個体に関しては、引き続き訓練を行う。ただ、サルの訓練に関しては、個体差が大きいため、現在の個体の進捗が芳しくない場合、代替のサルを用いることも視野に入れ研究を進める。
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