研究課題/領域番号 |
20KK0192
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研究種目 |
国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(B))
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分52:内科学一般およびその関連分野
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
佐々木 良平 神戸大学, 医学部附属病院, 教授 (30346267)
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研究分担者 |
荻野 千秋 神戸大学, 工学研究科, 教授 (00313693)
赤坂 浩亮 神戸大学, 医学研究科, 非常勤講師 (20707161)
西村 勇哉 神戸大学, 科学技術イノベーション研究科, 客員准教授 (40728218)
中山 雅央 神戸大学, 医学研究科, 医学研究員 (60582004)
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研究期間 (年度) |
2020-10-27 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
18,200千円 (直接経費: 14,000千円、間接経費: 4,200千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2022年度: 7,280千円 (直接経費: 5,600千円、間接経費: 1,680千円)
2021年度: 7,150千円 (直接経費: 5,500千円、間接経費: 1,650千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | ナノ粒子 / 放射線治療 / 放射線応答 / 放射線増感 / がん幹細胞 / 過酸化チタンナノ粒子 / 表面修飾 / DDS / 金属ナノ粒子 / 無機ナノ粒子 / 表面修飾技術 |
研究開始時の研究の概要 |
我々は大量の活性酸素を産生し放射線増感効果を有する過酸化チタンナノ粒子の開発に成功し放射線増感剤として開発している。臨床応用には、ナノ粒子の①腫瘍への特異的集積、②生体安全性が必要なため表面修飾技術が必要である。メルボルン大学のFrank Caruso教授はと呼ばれる独自のナノ粒子コーティング技術を開発しており、その技術を過酸化チタンナノ粒子に応用することで、Drug Delivery Systemと体内毒性低減が期待できる。我々は日本・オーストラリアを基軸としたナノ粒子放射線増感研究ネットワークを形成し、画期的な放射線増感剤の開発から臨床応用まで取り組む。
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研究実績の概要 |
我々は放射線と併用で大量の活性酸素(ROS)を産生し、放射線増感効果を著名に増加させる過酸化チタンナノ粒子の開発に成功し、世界的にも先駆的な立場で過酸化チタンナノ粒子を利用した放射線増感剤の開発に取り組み特許出願した。臨床応用する、過酸化チタンナノ粒子が①腫瘍に特異的に集積し、②生体安全性を有する必要があり、過酸化チタンナノ粒子の表面修飾技術が必要不可欠であるが、メルボルン大学のFrank Caruso教授のグループはPMAP(Polyphenol-Mediated Assembly of Proteins)と呼ばれる独自のナノ粒子コーティング技術を開発しており、PMAPを応用することで、過酸化チタンナノ粒子にDrug Delivery System(DDS)と体内毒性低減を計画した。ROS産生能を有する過酸化チタンナノ粒子とPMAPの融合は、これまでに類を見ない革新的ながん治療の開発に繋がることが期待できナノ粒子放射線増感研究ネットワークを形成し、画期的な放射線増感剤の開発計画を立てた。 メルボルン大学との共同開発で独自のナノ粒子コーティング技術を開発し、予備的実験として無機分子と有機分子との結合の媒体としてタンニン酸を用いてがん幹細胞に高発現しているCD44を認識する抗体と過酸化チタンナノ粒子を結合させることに成功した。ヒト膵癌細胞であるMiyapaka-2細胞やヒト乳癌細胞であるMDA-MB-231細胞はCD44陽性細胞であり、ヒト乳癌細胞でCD44陰性細胞であるBT40を用いたin vitroの実験系においての無機分子と有機分子との結合評価を行った。蛍光顕微鏡によるCD44陽性細胞またはCD44陰性細胞へのナノ粒子の取り込みを評価し、CD44陽性細胞内への有意な過酸化チタンナノ粒子の取り込み量の増加を認めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
メルボルン大学との共同開発で独自のナノ粒子コーティング技術を開発し、予備的実験として無機分子と有機分子との結合の媒体としてタンニン酸を用いてがん幹細胞に高発現しているCD44を認識する抗体と過酸化チタンナノ粒子を結合させることに成功した。現在はまず、粒子に関する粒形とサイズ評価、zeta電位変化の確認を行い、電子顕微鏡での形状も確認している。さらにそれらの抗腫瘍効果を確認する目的でコロニーアッセイを行い、良好な放射線照射での相乗効果を確認できている。
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今後の研究の推進方策 |
今後は作成した粒子の薬物動態の解析を行う予定である。具体的には合成粒子に蛍光標識を行い、IVISでの観察を行うことで腫瘍への停留と各臓器への移行や排斥に関して経時的に観察する予定である。用量設定の予備試験計画をも計画しており、これまでのマウス実験では、過酸化チタンナノ粒子最大投与量:25~650 mg/kgでは毒性が認めないことを確認しているが至適投与量を検討する。
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