研究課題/領域番号 |
20KK0200
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研究種目 |
国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(B))
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分55:恒常性維持器官の外科学およびその関連分野
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研究機関 | 旭川医科大学 |
研究代表者 |
小山 恭平 旭川医科大学, 医学部, 講師 (00818479)
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研究分担者 |
紙谷 寛之 旭川医科大学, 医学部, 教授 (30436836)
若林 尚宏 旭川医科大学, 医学部, 助教 (20827745)
菊池 悠太 旭川医科大学, 医学部, 助教 (80882711)
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研究期間 (年度) |
2020-10-27 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
18,850千円 (直接経費: 14,500千円、間接経費: 4,350千円)
2023年度: 4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2022年度: 4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 5,590千円 (直接経費: 4,300千円、間接経費: 1,290千円)
2020年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
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キーワード | エレクトロスピニング / 小口径人工血管 / PCL / ナノファイバー / 生体吸収性 / 自己再生 / 生体吸収性素材 / 血管グラフト / 小口径代用血管 |
研究開始時の研究の概要 |
冠動脈バイパス術のような細径血管の再建術では、現在のところ臨床の使用に耐えうる人工血管が存在しないため、治療には自家血管(患者本人から採取した血管)を使わざるを得ない。自家血管の採取による患者負担を軽減し、より安定した治療を提供するためには、実用可能な細径人工血管の創出が必須である。本研究では、患者の組織と一体化し自家血管の様に再生や成長する能力を持つ、生体分解性の細径人工血管を創出する。
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研究実績の概要 |
冠動脈バイパス術や下肢動脈バイパス術のような細径血管の再建術では、現在のところ臨床の使用に耐えうる人工血管が存在しないため、治療には自家血管(患者本人から採取した血管)を使わざるを得ない。自家血管の採取による患者負担を軽減し、より安定した治療を提供するためには、実用可能な細径人工血管の創出が必須である。本研究では、患者の組織と一体化し自家血管の様に再生や成長する能力を持つ、生体分解性の細径人工血管を創出する。 これまでに、ポリカプロラクトン(PCL)ナノファイバーで作成した小口径人工血管(PCLグラフト)は、長期に開存し自家血管様に再生することをラットの移植モデルで証明した。しかし、PCLグラフトはウサギやブタでは短期に閉塞してしまうことが分かり、PCLグラフトに強力な抗血栓性を付加することが必要と考えられた。そこで、PCLグラフトへのヘパリンの結合を試みた。コントロールのPCLグラフトと比較してヘパリン化したPCLグラフト(PCL-Hepグラフト)では、トルイジンブルーによる明らかな染色を認めヘパリンの結合が確認された。また、PCL-Hepグラフトでは水滴下試験で接触角の著しい低下が認められ、親水性が向上していることが確認された。 PCLナノファイバー性の人工血管は、Nativeの血管と弾性や展性が異なり、移植後にコンプライアンスミスマッチを生じる。この問題を克服するために、リオグランデ・ド・スル大学に渡航して新規に導入されたエレクトロスピニング機で、複数の異なるナノファイバーを同時紡糸し、物理的性質がNative結果に近いナノファイバー素材の開発を行った。現在PCLとPLAの条件は確立したが、その他のPGAやコラーゲンなど性質の大きく異なる素材については溶媒や電圧のさらなる検討が必要である。
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