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感情と免疫学的健康の新しいセンサーとしての骨の働き

研究課題

研究課題/領域番号 20KK0213
研究種目

国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(B))

配分区分基金
審査区分 中区分57:口腔科学およびその関連分野
研究機関九州大学

研究代表者

自見 英治郎  九州大学, 歯学研究院, 教授 (40276598)

研究分担者 塚本 翔  埼玉医科大学, 医学部, 講師 (20707658)
片桐 岳信  埼玉医科大学, 医学部, 教授 (80245802)
川端 由子  九州大学, 歯学研究院, 助教 (40906830)
研究期間 (年度) 2020-10-27 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
18,720千円 (直接経費: 14,400千円、間接経費: 4,320千円)
2023年度: 4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2022年度: 4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2021年度: 5,590千円 (直接経費: 4,300千円、間接経費: 1,290千円)
2020年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
キーワード感情 / 免疫 / 骨 / NF-κB / エネルギー代謝
研究開始時の研究の概要

精神状態と骨代謝疾患の発症や進行との関連が報告されているが、これまで客観的に細胞・分子レベルで解析した研究は殆どない。D’Acquisto教授は、充実環境と社会的孤立という異なる環境下で飼育したマウスに細菌感染実験を行ったところ、充実環境で飼育したマウスは、免疫応答が向上し、社会的孤立では逆の効果を示すことを報告した。本国際共同研究では、充実環境と社会的孤立に代表される生活環境の違いによる精神状態の変化が骨代謝疾患の発症や進行に関与すること、両者の関連にNF-κBが関与すること、さらに精神状態を考慮に入れた新しい骨代謝疾患の予防法、治療法の選択や予後の予測に情報を提供することを目指す。

研究実績の概要

閉経後女性における骨代謝およびエネルギー代謝の悪化は、しばしば骨粗鬆症や肥満症の病態に直結しQOLを著しく損なうことから、その予防や進展抑制を行うことが急務である。近年、外部環境によるストレスが、骨代謝やエネルギー代謝に影響していることが報告されているが、生活環境の違いが閉経後の骨粗鬆症やエネルギー代謝異常症の進展に及ぼす影響については不明である。そこで、我々は卵巣摘出術(OVX)による閉経後骨粗鬆症モデルマウスを用いて、偽手術(sham)およびOVX群を、標準的飼育環境 (Standard Condition: SC)、エンリッチメント環境 (Enriched Environment: EE)、単独飼育する孤立環境(Isolation: IS)で、4または8週間飼育し、閉経後の骨代謝・エネルギー代謝機構に環境エンリッチメントが与える影響について解析を行った。その結果、sham 群では各飼育環境間で骨密度の差はなかったが、OVX 群では、SCに比べて、IS では骨密度低下、EEでは骨密度の低下が抑制された。また、体重変化については、sham 群では各飼育環境間での差は認められなかったが、OVX 群では SC=IS>EE という相関が得られた。白色脂肪組織の重量および脂肪細胞の大きさは、SCに比べ、EEで減少していた。さらに、耐糖能試験、インスリン負荷試験では、環境の違いによる顕著な変化は認められなかったが、空腹時血糖値はOVX 群でISO>SC>EEの順に有意に低下していることが明らかとなった。なお、血清中コルチコステロン濃度は、ISO>SC>EEの相関が得られた。以上の結果より,生活環境の充実が閉経後骨粗鬆症の進行抑制、エネルギー代謝改善に寄与していること、さらに、環境エンリッチメントが視床下部―下垂体―末梢内分泌系に影響を及ぼすことで、骨代謝やエネルギー代謝を制御している可能性が示唆された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

コロナ禍で研究計画は当初の予定より遅れているものの、充実環境下で飼育することでストレスホルモンの産生低下と骨量減少および体重増加の抑制に相関が認められた。今後因果関係を明らかにし、さらに分子メカニズムの解析に進むことができる。

今後の研究の推進方策

これまでの実験結果より、通常飼育(Standard Condition: SC)と比較して充実環境(Enriched Environment : EE)では骨量減少と体重増加が抑制され、社会的孤立(Social Isolation : SI)では骨量減少と体重増加が亢進した。各飼育環境の血清中のグルココルチコイドの濃度はSI>SC>EEになり、骨量減少および体重増加と相関した。そこでグルココルチコイド受容体拮抗薬ミフェプリストンを腹腔投与し、グルココルチコイドの作用をブロックし、EEおよびSIの効果が見られないことを確認する。

報告書

(4件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 2021 実施状況報告書
  • 2020 実施状況報告書
  • 研究成果

    (13件)

すべて 2023 2022 その他

すべて 国際共同研究 (4件) 学会発表 (3件) 備考 (6件)

  • [国際共同研究] University of Roehamptom, London, UK(英国)

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [国際共同研究] University of Roehampton(英国)

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [国際共同研究] University of Roehamptom London(英国)

    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [国際共同研究] Roehamptom大学(英国)

    • 関連する報告書
      2020 実施状況報告書
  • [学会発表] 閉経後の骨・エネルギー代謝異常の進展を制御する環境エンリッチメント2023

    • 著者名/発表者名
      鞠 超然、安河内(川久保)友世、高 田、小倉 綾乃、川端 由子、自見 英治郎
    • 学会等名
      第65回歯科基礎医学会学術大会(東京)
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 生活環境に起因する 閉経後の骨粗鬆症やエネルギー代謝異常症の進展制御機構2023

    • 著者名/発表者名
      鞠 超然、安河内(川久保)友世、高 田、小倉 綾乃、川端 由子、自見 英治郎
    • 学会等名
      第96回日本生化学会大会(福岡)
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 充実環境による閉経後骨粗鬆症・体重増加に対する抑制効果2022

    • 著者名/発表者名
      鞠 超然,川端 由子,李 傲男,黄 菲,片桐 岳信,自見英治郎
    • 学会等名
      第64回歯科基礎医学会学術大会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [備考] 九州大学歯学部、大学院歯学府、大学院歯学研究院ホームページ、OBT研究センター

    • URL

      https://www.dent.kyushu-u.ac.jp/project/#obt

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [備考] Affective Immunology

    • URL

      https://www.affectiveimmunology.com

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [備考] Fulvio D'Acquisto Professor of Immunology

    • URL

      https://pure.roehampton.ac.uk/portal/en/persons/fulvio-dacquisto

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [備考] 九州大学歯学研究院 OBT研究センター

    • URL

      https://www.dent.kyushu-u.ac.jp/project/obt_objective/

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書 2021 実施状況報告書
  • [備考] 埼玉医科大学医学部ゲノム基礎医学

    • URL

      http://www.saitama-med.ac.jp/uinfo/biomedsci/custom6.html

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書 2021 実施状況報告書
  • [備考] University of Roehamptom London

    • URL

      https://pure.roehampton.ac.uk/portal/en/persons/fulvio-dacquisto

    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書

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公開日: 2020-10-29   更新日: 2024-12-25  

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