研究課題/領域番号 |
20KK0218
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研究種目 |
国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(B))
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分58:社会医学、看護学およびその関連分野
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研究機関 | 名古屋市立大学 (2021-2022) 自治医科大学 (2020) |
研究代表者 |
間辺 利江 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 准教授 (50723110)
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研究分担者 |
藤倉 雄二 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究施設、病院並びに防衛, 病院 内科, 准教授 (60598796)
中村 晃久 自治医科大学, 医学部, 助教 (00880072)
小谷 和彦 自治医科大学, 医学部, 教授 (60335510)
間辺 広樹 四天王寺大学, 高等教育推進センター, 教授 (80906529)
畠山 修司 自治医科大学, 医学部, 教授 (40463864)
赤津 裕康 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 教授 (00399734)
神林 弾 昭和薬科大学, 薬学部, 助教 (50890787)
野原 康弘 宇都宮大学, 地域デザイン科学部, コーディネーター (80833053)
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研究期間 (年度) |
2020-10-27 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
18,720千円 (直接経費: 14,400千円、間接経費: 4,320千円)
2022年度: 6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2021年度: 6,630千円 (直接経費: 5,100千円、間接経費: 1,530千円)
2020年度: 5,720千円 (直接経費: 4,400千円、間接経費: 1,320千円)
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キーワード | COVID-19 / 新興感染症 / 空間疫学 / 疾病集積性 / 重症化要因 / 数理モデル / 流行監視 / ベトナム / 知識・態度・行動(KAP)調査 / 知識・態度・行動 (KAP) 調査 |
研究開始時の研究の概要 |
COVID-19パンデミックは世界中に拡大した一方で、国や地域により感染者・死亡者数は大きく異なる。本研究は、COVID-19の感染者・死亡者数や過去の新興感染症(SARS、鳥インフルエンザH5N1、2009年新型インフルエンザ等)経験の異なる三国(ベトナム、メキシコ、日本)の国際共同研究で、各国のCOVID-19の空間的・時間的疾病集積性や、発生・重症化の学際的・医学的重症化要因の比較・検討を行い、感染や重症者数を左右した要因の解明と継続した疾病モニタリング(流行監視)、迅速な情報発信を可能とするシステムを構築する。これにより、今後の感染拡大や重症化阻止、将来の新興感染症対策に資する。
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研究実績の概要 |
■2020年度①ベトナムでは死亡者がない7月末までの症例にて空間疫学解析を実施、感染発生要因を検討。②ベトナムの地域住民を対象とし、WHOのガイダンスに基づく知識・態度・行動(KAP)調査の研究計画書を作成。③COVID-19の重症化要因の解明研究としてメタアナリシスにより、致死率、合併症、基礎疾患等を整理した(Manabe T, et.al., Resp Inves, 2020)。 ■2021年度①ベトナムのCOVID-19空間疫学研究の学術論文を発表した。 ②ベトナムの地域住民を対象としたKAP調査は601名の参加者を得、COVID-19に関するKAPスコアへの影響要因は、年齢、経済的背景であることが明らかになった。③バクマイ病院設置のICUセンターに入院の重症COVID-19の後ろ向き観察研究を実施。重症化リスク要因、発症から入院までの期間、ワクチン接種状況等であることや細菌性・真菌性の二次感染があったことが明らかになった。メタ解析により、ファビピラビルのCOVID-19の臨床効果が示唆された結果を得た。 ■2022年度①有効距離を使った検討で、アウトブレイク発生ポイントからの拡散到達時間検討の可能性が示唆され、これを論文として発表した。③ベトナムの臨床データより、重症COVID-19の死亡リスク要因ついて、学術論文として発表した。メタ解析により、喘息はCOVID-19の感染発症リスクであり、COPDは死亡リスクとなることを示唆し、これを学術論文により発表した。2023年3月にシンポジウムを開催、バクマイ病院や省病院の医師ら約400名が参加し、研究成果の発表や意見交換を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
COVID-19の状況下、自由に国内外の移動が出来ない中で、ベトナムでの研究は、Zoom会議等を活用しながら、日本の研究者との連携の下、現地の共同研究者が調査研究棟を行うしくみが確立でき、計画以上の進捗であった。2023年3月には、日本人研究者のベトナム訪問も果たし、現地研究者らとの研究打ち合わせや、シンポジウムをハイブリッドで開催して、研究成果の発表する機会も得、400名以上の医師らの参加を得た。医療崩壊が深刻なメキシコの研究サイトでは、現地共同研究者の動きが取れない状況が続いている。
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今後の研究の推進方策 |
COVID-19は変異株の出現や、感染者数の急増、渡航制限なども経験し、国際共同研究としては不自由な部分が多いが、現地の共同研究者の協力の下、研究を進行する基盤を確立して来た。 2023年度は、現地の研究協力者の更なる強化を図り、今後の国際共同研究の展開につなげると共に、これまでの研究成果を学術論文として、発表して行く。メキシコでの現地調査は引き続き困難であると考えられるが、日本、ベトナム、メキシコのCOVID-19の公表されている症例データより、空間・時間解析による疾病の地理的時間的集積性によるアウトブレイクのパターン化等により、感染流行監視の為の数理モデルの構築や国際比較等を行うことで、本研究の目的の達成を図る。
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