研究課題/領域番号 |
20KK0223
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研究種目 |
国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(B))
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分58:社会医学、看護学およびその関連分野
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研究機関 | 琉球大学 |
研究代表者 |
小林 潤 琉球大学, 医学部, 教授 (70225514)
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研究分担者 |
竹内 理恵 琉球大学, 医学部, 客員研究員 (00623084)
川村 真也 中部大学, 中部高等学術研究所, 特任講師 (20706775)
CarabeoMedina JohnRobert 琉球大学, 医学部, 客員研究員 (40888228)
斉藤 美加 琉球大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (90235078)
デロスレイエス C 琉球大学, 医学部, 特命講師 (10599252)
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研究期間 (年度) |
2020-10-27 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
18,590千円 (直接経費: 14,300千円、間接経費: 4,290千円)
2024年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2023年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2022年度: 5,200千円 (直接経費: 4,000千円、間接経費: 1,200千円)
2021年度: 9,880千円 (直接経費: 7,600千円、間接経費: 2,280千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | デング熱 / 時空間解析 / COVID-19 / 学校保健 / フィリピン / リスク評価 / 市民科学 |
研究開始時の研究の概要 |
デングウイルス感染コントロールには他熱性疾患との鑑別診断が重要となるが、COVID-19のパンデミックにより、その鑑別診断はリソースが限られる現状では非常に難しい状況に陥ると予測される。このため本研究は、フィリピンの都市部と農村部においてCOVID-19などの他の熱性疾患の流行時に、デング熱の流行を地理的に正確に分析、さらに市民の参加によって2種類の媒介蚊の発生状況を広く効率的に収集しベクターの地理的分布を明らかにすることによって、より正確なリスクマップを作成する。健康教育の中核を担っている教員の熱性疾患対策に関するリテラシーを把握し、適切なリスクコミュニケーションに対する指針を提言する。
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研究実績の概要 |
Quezon City Epidemiology and Surveillance Unitから入手した。各バランガイの人口データは、ケソン市地方政府の市民登録局から入手。デング熱の報告症例のデータは、バランガイ(地区)ごとにグループ化し、年ごとに集計した。まず2010年1月1日から2017年12月31日まのデータを用い、Getis-Ord General G Statistics and Getis-Ord Local Gi* statisticsを使用しデング熱の空間解析を行った。この結果、空間分布も年によって大きく異なっていたが、局所的なクラスターが確認され、18のバランガイ(地区)がホットスポットとして特定された。この結果は”Spatial and Temporal Distribution of Reported Dengue Cases and Hot Spot Identification in Quezon City, Philippines, 2010-2017”としてマニラで開催された第53回アジア太平洋公衆衛生学会(Aisa-Pacific Academic Consortium for Public Health)で報告し、国際学術誌に投稿され現在査読中である。 さらに現在2018年以降について新型コロナ感染症の発生状況と他環境データを入手し、分析にとりかかっている。また上述のケソン市とパンパンガ州サンフェルナンド地区の教育省の協力を得て、高校教員約1000人についてのデング熱に関するリテラシーについて自記式質問紙による調査を行い、現在データの解析を実施中である。これによってデング熱対策の健康教育において重要なリソースである教員のリテラシーがわかるとともに、学童を中心とした市民科学アプローチの導入のベースライン調査としてもデータが使用される予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
フィリピン都市部のQuezon Cityと農村部のPuerto Princesa Cityを研究対象としていたが、農村部としてパンパンガ州での調査に変更した。州教育省、保健省の受け入れが積極的であり、且つ科学的にも変更に大きな影響がないことから決定した。開始当初はフィリピンへの渡航がむずかしく遠隔にての研究となったが、この間はデータの収集と分析によって上述の成果を得た。昨年度は現地への渡航によって市、州政府機関への直接の説明によって、デング熱だけでなく新型コロナ感染症や環境等のデータ収集と学校での調査が可能となり、遅れていた調査が進められたと考える。
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今後の研究の推進方策 |
2018年以降について新型コロナ感染症の発生状況と他環境データを入手し、詳細な時空間解析を行い、新型コロナ感染症パンデミック下のデング熱の発生と環境因子との関連について時空間解析を実施する。またパンパンガ州サンフェルナンド地区の学校においてワークショップを実施し、学童を中心とした市民科学アプローチの導入を行う。またすでに実施した高校教員への調査はベースライン調査としてもデータを使用し評価する予定である。
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