研究課題/領域番号 |
20KK0224
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研究種目 |
国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(B))
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分58:社会医学、看護学およびその関連分野
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研究機関 | 京都府立医科大学 |
研究代表者 |
渡邊 洋平 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (50452462)
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研究分担者 |
小川 晴子 帯広畜産大学, 畜産学部, 教授 (10400079)
武田 洋平 帯広畜産大学, グローバルアグロメディシン研究センター, 助教 (30804447)
荒井 泰葉 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 研究員 (80793182)
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研究期間 (年度) |
2020-10-27 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
18,720千円 (直接経費: 14,400千円、間接経費: 4,320千円)
2023年度: 5,980千円 (直接経費: 4,600千円、間接経費: 1,380千円)
2022年度: 4,940千円 (直接経費: 3,800千円、間接経費: 1,140千円)
2021年度: 4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2020年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
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キーワード | 新興ウイルス / ウイルスエコロジー / 進化動態 / 調査研究 |
研究開始時の研究の概要 |
新興ウイルスは、一旦ヒト社会に侵入すると急速に感染拡大して人類に甚大な被害を及ぼしうる。しかし、これらのウイルスが自然界でどのように維持されて進化しているのか不明である。 本研究の目的は、申請者らが先行的に構築した学際研究体制を基に、新興感染症のホットスポット(東南アジアと中東)に大陸横断的な国際感染症の研究基盤を整備することである。日本側研究者が現地の研究者と連携して多様な野生動物と家畜が保有するウイルスを系統的に検知するモニタリングシステムを構築する。本研究を通じて新興感染症が出現する最前線において新興ウイルスの維持と進化動態をモニタリングして情報収集する体制を整備する。
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研究実績の概要 |
本申請では、新興感染症ホットスポットの中東(エジプト)と東南アジア(ベトナム)の研究機関と連携し、地域に生息する野生動物と家畜が保有するウイル スを系統的に検知することで、自然界でのウイルスの維持メカニズムを明らかにする。 具体的には、以下の1)~5)研究を実施する。1)エジプトにおける野生動物と家畜が保有するウイルスの同定。2)ベトナムにおける野生動物と家畜が保有 するウイルスの同定。3)各地域に分布するウイルスの進化動態の解明。4)ウイルスの宿主域の変化動態の解明。5)大陸間の情報比較によるグローバルなウイルス伝播の解明 本年度についても、COVID-19の継続的な蔓延状況を鑑み、海外渡航を中止せざるを得なかった。一方で、海外カウンターパートと現地の感染症蔓延状況についてWeb会議を継続して実施できたため、次年度(最終年度)に予定する現地調査を効率的に実施する準備が整っている。また国内においても代替的に国立感染症研究所を介して海外で流行するウイルス株の分与を受けて基礎的な研究が可能である。そこで、国立感染症研究所より、SARS-CoV-2のアルファ株、ベータ株、ガンマ株、 カッパー株、デルタ株、オミクロン株の分与を受けて各地域で出現した変異株の比較解析を実施した。特にオミクロン株の病原性解析においては、祖先的な武漢株と比較して、ヒト気道再構築モデルにおいてウイルス複製能の低下が観察された。またIFN応答が減弱しており、免疫誘導能をもつ短鎖viral RNA産生量低下と部分的に関連している可能性が示された。これらの知見は、各地域で出現した変異ウイルスにおいて宿主適応性などに相違が生じ始めていることを示唆した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本年度についても、COVID-19(特にオミクロン株)の継続的な蔓延状況を鑑み、海外渡航を中止せざるを得なかった。一方で、エジプトとベトナムの海外カウンターパートと現地の感染症蔓延状況についてWeb会議を継続して実施できたため、最終年度に予定する現地調査の効率的な実施が可能な状況である。また国内においても代替的に国立感染症研究所を介して海外のSARS-CoV-2変異株の分与を受け、地域ごとに発生している変異株の病原性解析や進化動態に関する基礎研究を展開することができた。特にオミクロン株においては、祖先的な武漢株やデルタ株とも異なるウイルス性状が観察されて、ヒト適応性や進化動態に関して新たな知見が得られた。
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今後の研究の推進方策 |
COVID-19は継続的に流行しているものの、海外渡航に対する制限がほぼない状況となった。そこで次年度(研究最終年度)は、地理的に日本から近くまた公衆衛生などのインフラ整備が整っており安全な渡航計画が立てられるベトナムには少なくとも現地調査を実現させる。また今年度まで代替的に推進してきた新型コロナウイルス地域流行株(変異株)の進化動態や宿主適応に関する基礎研究について、次年度が最終年度であることから研究の取り纏めと論文投稿を行う。これらの現地調査の実現と国際連携の枠組みによる基礎研究の推進によって新興ウイルスの進化動態やウイルスエコロジーをモニタリングする連携基盤の強化を図る。
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