研究課題/領域番号 |
20KK0231
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研究種目 |
国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(B))
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分60:情報科学、情報工学およびその関連分野
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研究機関 | 電気通信大学 |
研究代表者 |
石垣 陽 電気通信大学, 国際社会実装センター, 特任教授 (50723350)
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研究分担者 |
松田 尚樹 長崎大学, 原爆後障害医療研究所, 客員研究員 (00304973)
内田 理 東海大学, 情報理工学部, 教授 (50329306)
田中 健次 電気通信大学, 大学院情報理工学研究科, 教授 (60197415)
江藤 和子 電気通信大学, 大学院情報理工学研究科, 客員研究員 (90461847)
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研究期間 (年度) |
2020-10-27 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
18,070千円 (直接経費: 13,900千円、間接経費: 4,170千円)
2023年度: 4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2022年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2021年度: 5,720千円 (直接経費: 4,400千円、間接経費: 1,320千円)
2020年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
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キーワード | NORM / TeNORM / バンカ / ブリトゥン / スズ / SDGs / レアメタル / レアアース / TENORM / 希少金属 / 鉱山 / 個人曝露 / 放射線 / 放射能 / 放射線リテラシー / 参加型センシング / 社会的資本 / 地域看護 / 自然起源放射性物質 / ジルコンサンド / スズ鉱山 |
研究開始時の研究の概要 |
研究代表者らの事前調査により、インドネシアのバンカ島にて住宅地に入り組む形で散在する鉱山由来の高い放射線量地域(TENORM:人為的にその濃度が高められた自然由来の放射線物質)が発見された。しかし現地には線量計が存在せず、地域住民のリスクに対するアウェアネスも非常に低い。そこで研究代表者が海外の研究機関等に直接出向き、現地の大学・地域と協力しながら、ハザードマップづくりやSNSでの情報共有を試行する。さらに、被曝低減に向けた地域ルールの策定までを行う。
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研究実績の概要 |
インドネシアのバンカ島におけるスズ(ハンダ)の鉱山、特に選鉱を行う施設において、鉱物由来の高レベル放射線量地帯が多数散在している問題を解決するため、研究代表者らが開発した半導体センサによる超小型・廉価・高精度な放射線量計を活用し、スマホを用いた参加型のIoTハザードマッピングを行った。これは、地域住民と鉱山事業者の協力により、各鉱山施設周辺の線量をモバイル測定する「参加型ハザードマッピング・ワークショップ」の形式で実施された。 昨年度に引き続き新型コロナの影響がある中で、スマホによるIoT型線量計「ポケガ」で線量を測定し、GISによりマップ化に成功した。同時にドローンによる空撮や、現地住民・現地の管轄官庁へのインタビュー、地域住民や鉱山労働者へのドキュメンタリー収録を行い、YouTube動画として公開した。この中で、線量測定においては、立場によって必要とする物理量やメタデータが異なることがわかってきた。特に内部被ばくの管理を行う上ではPM2.5など粉塵のデータも必要であるため、併せてPM2.5の分布もGISにより可視化した。 外部被ばくについては、状況をより詳細に把握するため、被験者20名を募集して現地でガラス線量計による被ばく調査を行った。調査対象は個人被ばくに加えて、その個人の自宅(屋内)も調査した。同時に、個々人の放射線に対するリテラシーやストレス等の心理指標も調査した。さらに、現地でサンプリングした土壌についても現地協力者のバンドン工科大にて分析を行った結果、トリウムやウラン等の放射性物質を同定することができた。サンプリングは住宅地、鉱山施設の両方で行い、深さとの関係も今後分析する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
昨年度に引き続きコロナの影響で渡航が難しい状況にあったが、現地の外注業者を活用することによりフィールドワークを実施することができた。また3月からは現地協力者から代表者の所属機関に留学生1名を招致することができ、さらに来年度からはもう1名が追加される予定である。今後は代表者の現地渡航も予定しており、研究がさらに加速されることから、おおむね順調に推移しているといえる。
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今後の研究の推進方策 |
収集された多次元データ(PM2.5、内部被ばく、外部被ばく、アンケート結果)を位置情報を含めて分析し、改善に必要な要素(ニーズ)を抽出、そのうえでシステム提案を行う。そこでは、測定者の位置情報プライバシを守るための空間内挿を行いながら可視化できるWeb APIやスマホ向けライブラリを開発し、リアルタイムに放射線量を可視化する予定である。ここで地域全体の線量を可視化する「グローバル可視化」と、住民のGPS移動履歴を元に個人曝露のトレンドを可視化する「ローカル可視化」の2つの情報提示により、リスク情報の理解や行動変容に及ぼす影響を調査する。ローカル可視化においては、測定器を持たないユーザであっても、自身のGPS移動履歴を元にDBから個人曝露量を推定する機能もアプリに盛り込む。以上のシステムを活用し、事業者・作業者・地域住民を巻き込んだ議論を通じて、被曝低減に向けた地域ルール合意形成までを試行し、「ネットワーク型の環境防災」のモデル構築を目指す。
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