研究課題/領域番号 |
20KK0235
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研究種目 |
国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(B))
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分62:応用情報学およびその関連分野
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研究機関 | 大阪公立大学 (2022) 大阪府立大学 (2020-2021) |
研究代表者 |
黄瀬 浩一 大阪公立大学, 大学院情報学研究科, 教授 (80224939)
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研究分担者 |
石丸 翔也 大阪公立大学, 研究推進機構, 客員研究員 (10788730)
岩田 基 大阪公立大学, 大学院情報学研究科, 准教授 (70316008)
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研究期間 (年度) |
2020-10-27 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
18,720千円 (直接経費: 14,400千円、間接経費: 4,320千円)
2022年度: 5,590千円 (直接経費: 4,300千円、間接経費: 1,290千円)
2021年度: 6,760千円 (直接経費: 5,200千円、間接経費: 1,560千円)
2020年度: 6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
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キーワード | 知能増強 / 学習増強 / センシング / アクチュエーション / 限定的有効性 / 処方箋 / EdTech / 学習支援 / 人工知能 / 視線解析 / 音読解析 / ナッジ / ピアグループ / マイクロラーニング / ヒューマンセンシング / ヒューマンコンピュータインタラクション / 認知バイアス |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では,第二言語(L2) の学習を中心的な対象として,ドイツ,フランス,オーストラリアの研究者と協力して研究を進めていく.2020年度には,実験に必要なソフトウェアの構築とセンサの準備などの実験準備を行う.2021年度には,読んだ語数や語彙力,解答に対する確信度,集中度を対象として,アクチュエーションによりどの程度改善するのかを実験によって明らかにする.2021年度には,興味度と書いた語数を対象として,同様の実験を行う.日本だけではなく独仏豪で実験を行うことにより,言語や文化,人種などによるアクチュエーションの効果の違いが明らかになると期待できる.
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研究実績の概要 |
人の学習能力を技術で増強することによって学習を容易にしたい.知力や集中力,忍耐力に富んだ理想的な学習者ではなく,やる気にムラがあって,なかなか始められず,すぐに離脱してしまうような,どこにでもいる学習者を助けたい.このような動機で本研究は計画されている.本研究では,学習における知能増強(Intelligence Augmentation) の分野(学習増強と呼ぶ)に関するものであり,新しい学習の枠組を提案すると共に,国際共同研究によって有効性を実証するものである.今年度の実績としては、以下の3点が挙げられる。 (1) オーストラリアとの共同実験に用いるためのスマートフォンアプリケーションの構築。具体的には、単語の学習を行ったり、その成果をシェアしたりするためのアプリケーションを開発した。 (2) フランスとの共同研究として、英文音読による未知単語推定手法を提案し、実験により有効性を検証した。推定手法としては、音声解析(フランス)と視線解析(日本)を合わせたものとなっている。 (3) ドイツとの共同研究として、プログラミング学習時に、問題解決に有効なヒントをインターネットから得る行動の解析とその分類を行った。具体的なタスクとしては、ワードクラウドを作成するタスクを実験参加者に与えて、参加者の検索ログを解析した。 以上の成果は、当初の研究の目的に合致するものであるが、COVIDの影響などにより、終了に至ることはできなかった。特に(1)については、実験を行えていない点が課題として残る。そのため、これらの成果をもとに2023年度に最終的な実験を行う予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
COVID19の状況が好転することを期待して実験を計画していたが、前期はそのような状況にはなく、実験を実施することができなかった。後期には改善が見受けられたが、国際共同研究相手先のオーストラリアで、実験参加者として期待していた留学生(特に中国人留学生)が十分戻ってきておらず、渡航をして実験を実施するに至らなかった。そのため、実験の方法と実験に用いるスマートフォンアプリケーションの開発を中心に行った。 一方で、ドイツ人工知能研究センター、フランスLIMSI-CNRSとの共同研究については、十分とは言えないまでも、相互に1回ずつ渡航し、研究を進めることができた。さらにフランスからは、3ヶ月間、先方のPh.D.学生が本学に滞在し、勢力的に実験を進めた。ただし、このケースを除いては、インターネットを介した研究の打合せと実施が中心であったため、必ずしも当初、計画したほど密な実験を行うことはできたとはいえない。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度には、学生を含めた研究者がオーストラリア、ドイツ、フランスに積極的に渡航して、実験を行う予定である。幸い、COVID19の影響も収束しつつあり、渡航に関する障害は以前と比べて十分低い状況にあると思われる。 特に、今年度は、学習者間で互いに学習をエンカレッジするための、peer pressureに関する国際比較研究を実施する予定である。これにより、各国での学生の振る舞いの違いや、その際に有効となる介入方法が明らかになるものと期待している。
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