研究課題/領域番号 |
20KK0244
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研究種目 |
国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(B))
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分64:環境保全対策およびその関連分野
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
金田一 智規 広島大学, 先進理工系科学研究科(工), 准教授 (10379901)
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研究分担者 |
MOJIRI AMIN 広島大学, 先進理工系科学研究科(工), 助教 (50882627)
押木 守 北海道大学, 工学研究院, 准教授 (90540865)
粟田 貴宣 大阪工業大学, 工学部, 講師 (80724905)
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研究期間 (年度) |
2020-10-27 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
18,850千円 (直接経費: 14,500千円、間接経費: 4,350千円)
2023年度: 5,460千円 (直接経費: 4,200千円、間接経費: 1,260千円)
2022年度: 5,460千円 (直接経費: 4,200千円、間接経費: 1,260千円)
2021年度: 5,460千円 (直接経費: 4,200千円、間接経費: 1,260千円)
2020年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | 海洋性アナモックス細菌 / 閉鎖循環式陸上養殖 / 窒素除去 |
研究開始時の研究の概要 |
世界人口の増加により食料の安定確保と持続可能な食料生産が求められている。天然魚介類の漁獲量増加は今後見込めないことから、持続可能な養殖として海水の交換が不要な閉鎖循環式陸上養殖が注目されている。海水を交換せず循環再利用する場合、残存する餌や排泄物由来の有毒なアンモニアの硝化および脱窒が必要になるが、大規模な閉鎖循環式陸上養殖では蓄積する硝酸の除去が技術的課題となっていた。そこで本研究では、申請者らが保有する海洋性アナモックス細菌の高濃度集積培養系を閉鎖循環式陸上養殖の窒素除去プロセスとして導入し、世界的な魚介類の需要増に対応できる次世代型の閉鎖循環式陸上養殖の構築を行う。
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研究実績の概要 |
本研究は、閉鎖循環式陸上養殖の普及・安定化・低コスト化の上で課題であった窒素排水処理を克服するために、塩分環境下で活性のある海洋性アナモックス細菌を用いた排水処理プロセスを導入した次世代型陸上養殖システムをスウェーデン養殖研究センター(ヨーテボリ大学)と共同で開発することである。具体的には、(1)海洋性アナモックス細菌の大量培養方法の確立、(2)前処理として部分硝化を組み込んだアナモックスリアクターの開発、(3)閉鎖循環式陸上養殖の循環海水を対象とした窒素排水処理の最適化と検証を行う。 2022年度もコロナ禍により海外渡航が難しいため、ヨーテボリ大学とメールによる複数回の実験計画の打ち合わせ、およびWeb会議によるミーティングを行った。さらに日本国内の研究分担者とはメールを中心に一部対面での実験打ち合わせを行った。 2022年度は、海洋性アナモックス細菌の培地成分として添加している微量金属元素に着目し、それらの種類および濃度を変えて連続式でのアナモックス活性試験を行ったところ、いずれの実験系においても海洋性アナモックス細菌の活性に差は見られなかった。一方、同じく培地成分として添加しているリンに着目し、リン濃度を変化させて連続式でのアナモックス活性試験を行ったところ、培地中リン濃度よりも低いリン濃度の系および高いリン濃度の系においてアナモックス活性の低下が見られた。リンは細胞を構成する重要な元素であることから、海洋性アナモックス細菌の増殖に最適なリン濃度が存在することがわかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
海外渡航ができないために、旅費の執行はできていないが、メールやWeb会議によるミーティングによりヨーテボリ大学および研究分担者とは密に連絡をとっており、研究の進行上問題はない。3つの研究機関で海洋性アナモックス細菌の培養を開始しており、それぞれ別の実験を並行して進めている。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度は培地成分として添加している微量金属元素とリンに着目し、海洋性アナモックス細菌の増殖に与える影響を評価する。海洋性アナモックス細菌の増殖量の把握には、定量PCR法を用いる。また、ヨーテボリ大学ではパイロットスケールの閉鎖循環式陸上養殖および実養殖施設からの排水を用いたアナモックス活性試験を行う予定である。これにあわせて2023年度中にヨーテボリ大学へ渡航を計画している。
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