研究課題/領域番号 |
20KK0252
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研究種目 |
国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(B))
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分90:人間医工学およびその関連分野
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研究機関 | 福井大学 |
研究代表者 |
坂元 博昭 福井大学, 学術研究院工学系部門, 准教授 (70552454)
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研究分担者 |
坂元 知里 福井工業高等専門学校, 物質工学科, 准教授 (10711492)
高村 映一郎 福井大学, 学術研究院工学系部門, 講師 (30843015)
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研究期間 (年度) |
2020-10-27 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
18,720千円 (直接経費: 14,400千円、間接経費: 4,320千円)
2023年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2022年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2021年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 6,760千円 (直接経費: 5,200千円、間接経費: 1,560千円)
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キーワード | バイオセンサ / ナノ粒子 / 画像解析 / 遺伝子検査 / 主成分分析 |
研究開始時の研究の概要 |
高感度・高精度なウイルスや有害微生物の検査技術確立は急務である。これまでに申請者と台湾 国立成功大学Han-Sheng Chuang教授はナノ粒子を利用した遺伝子回収技術と溶液中のナノ粒子運動を画像解析から検知する技術を融合することにより超高感度遺伝子検出技術を開発してきた。しかし、検出感度および測定精度に課題が残された。そこで、これまで検知していたナノ粒子運動を2次元から3次元へ拡張することで検出感度向上、さらにナノ粒子の動的挙動パターンを「主成分分析」により分類することで、分析精度を実用化レベル以上まで引き上げる。
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研究実績の概要 |
新型コロナウイルスだけでなく、毎冬猛威を振るうインフルエンザウイルス、細菌による食中毒など私達は見えない敵と共存し社会活動をしなければならない。新型コロナウイルスによる被害は一次的には人命を奪うことであるが、2次的被害として、どこにいるのかわからないという不安により、見通しを立てることができず、経済活動が滞ってしまうことが挙げられる。したがって、ウイルス・微生物の有無を検知する技術が重要であることが、コロナ禍において改めて認識された。見えない敵であるウイルス・有害微生物等の有無を正確に、かつ、短時間で知る技術の開発を目指す。申請者が開発したプローブ修飾ナノ粒子による生体分子捕捉技術と台湾 Han-Sheng Chuang教授らのナノ粒子移動速度の画像解析技術により、DNAとプローブ修飾ナノ粒子との結合について、ナノ粒子の移動速度を画像から計測することで判別する。さらに主成分分析を組み合わすことによって、その測定精度の向上を図る。日本と台湾の2グループの技術を集結融合し、画像から直接遺伝子を検出できるようなシステム構築を目的とする。 令和2年度において設計・合成した標的遺伝子を検出するためのプローブを用いた実験を行なった。令和3年度においては、検出対象遺伝子を認識することを可能としたプローブ修飾蛍光ナノ粒子の作製を行なった。蛍光粒子表面の処理、プローブ末端処理など双方の条件をすり合わせることで、蛍光粒子表面へプローブを精密に修飾することに成功した。令和4年度は、作製したプローブ修飾蛍光ナノ粒子を用いて、遺伝子検出評価を行った。台湾から画像解析ソフトを提供していただき、実験データの画像解析を行った。その結果、検出対象遺伝子と画像から得られた信号に相関性を見出した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
令和4年度は、前年度までに作製したプローブ修飾蛍光ナノ粒子を用いて、遺伝子検出実験を行った。検出においては、台湾 Chuang教授らが開発した画像解析ソフトを提供いただき、粒子観察画像を解析した。その結果、検出対象遺伝子量と粒子運動性に相関が見られることを見出した。この結果は、画像解析による新たなバイオセンシング技術への進展が見込まれる。
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今後の研究の推進方策 |
本技術のセンサ性能を評価するために、測定誤差、安定性、選択性といった評価を進める。さらに、実用化を見据え血清中などの生体試料中でのセンサ評価も行う予定である。得られたデータについては、統計処理を行うことでノイズ信号を識別し、測定結果の信頼性向上も行う。
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