浮動小数点演算による数値計算は丸め誤差の影響で計算精度が低下するとともに,計算結果が何桁正しいのか分からない.また並列計算等で計算順序が定まらない場合,再現性が損なわれる.大規模計算における誤差蓄積や高性能計算機における低精度演算器の普及に対して,丸め誤差に起因する諸問題の解決が求められる.本研究では基本的な線形計算を対象に,計算結果の正しさ(精度)がわかる高性能・高精度計算法を開発する.正しさの検証が可能となることで再現性の要求にも応える.超並列・ヘテロジニアス構成・低精度演算器搭載を特徴とする次世代計算機環境に適した技術開発を行い,大規模数値計算における高信頼化と高性能化の両立を試みる.
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