研究課題/領域番号 |
20KK0280
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研究種目 |
国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(A))
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分09030:子ども学および保育学関連
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研究機関 | 福井大学 |
研究代表者 |
藤澤 隆史 福井大学, 子どものこころの発達研究センター, 准教授 (90434894)
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研究期間 (年度) |
2021 – 2023
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
14,040千円 (直接経費: 10,800千円、間接経費: 3,240千円)
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キーワード | 発達 / 養育状況 / エピジェネティックス / 養育環境 / エピゲノム / 脳画像 / アロペアレンティング / 養育 |
研究開始時の研究の概要 |
本申請では、基課題に共同研究で得たエピゲノム解析の知見と手法を適用することで、養育環境の違いによって規定される発達状況の分子基盤を同定することを目的とする。具体的には、基課題および申請者らのグループで既にサンプリングされ、エピゲノムワイド解析を終えている60名分のメチル化アレイデータを対象に、アロペアレンティング状況および子の発達状況(認知・社会性)に関与するエピゲノム情報を同定し、エピゲノム情報に基づくアロペアレンティング予測モデリング、発達予測モデリングを構築することを目的とする。
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研究成果の概要 |
本研究では、基課題において既にサンプリングされ、エピゲノムワイド解析を終えているメチル化アレイデータを対象に、機械学習を用いてエピゲノム情報に基づいた養育状況および発達状況のリスク推定モデリングの構築を行った。その結果、モデルはテストデータにおいて、小児期逆境体験の有無に関する推定リスクスコアは71.5%、分類性能の指標であるAUCは0.76という高い性能を示した。またリスク推定に関与しているメチル化部位は「シナプス伝達」や「神経システム発生」に関与していることが見いだされた。また、本研究の有効性を傍証するために、メンタルヘルス領域におけるメチル化リスク推定モデルに関するレビューを行った。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
子の養育状況(特に小児期逆境体験や社会的養護)発達状況の関連性は重要な課題であると考えられるが、近年、メチル化アレイデータから健康リスクを推定するデータサイエンスが盛んに行われている。本研究では、先行研究のメチル化アレイデータに基づき機械学習を用いて子の発達状況に関するリスク推定モデルを構築した。エピジェネティックな変異は遺伝要因と環境要因のインタラクションに基づいた心理発達現象の分子基盤とも捉えられ、養育状況と発達状況(認知・社会性)との関連性を探るという点において、本研究の試みは学術的意義が高いと考えられる。
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