研究課題/領域番号 |
20KK0285
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研究種目 |
国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(A))
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分09060:特別支援教育関連
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研究機関 | 茨城大学 |
研究代表者 |
田原 敬 茨城大学, 教育学部, 准教授 (70735753)
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研究期間 (年度) |
2022 – 2023
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
10,530千円 (直接経費: 8,100千円、間接経費: 2,430千円)
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キーワード | 雑音下聴取 / listening effort / コミュニケーション / Listening effort |
研究開始時の研究の概要 |
学校の学習形態が多様化している今日において,他のグループの会話音や隣の教室からの活動音等が雑音となって,児童生徒のコミュニケーション活動に影響を及ぼす可能性が指摘されている。雑音下での聴取成績の低下が見られずとも,正確に聞き取るために多くの労力を要する児童生徒の存在も指摘され,これらの負担はListening Effortと呼ばれている。本研究は児童生徒のListening Effortを評価する手法を開発し,Listening Effortを軽減するための手法についても検討を行うことで,児童生徒の活発なコミュニケーション活動を支えるための包括的な支援のあり方について提言することを目的とする。
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研究成果の概要 |
聴覚研究について先駆的な取り組みをしているデンマーク工科大学にて1年間客員研究員として従事しながら,コミュニケーション活動時のlistening effort(LE)に関して検討を行った。小児例を対象とした際には先行研究の知見が必ずしも適応できないことが改めて示唆され,特に実験室以外での小児のLEを計測する手段が求められていた。これらの状況を踏まえ,スマートアイグラスを活用し,学習時やコミュニケーション活動時の瞬目数など生理学的変化に着目することで,小児のLEを客観的に評価し得る可能性を明らかにした。具体的には,雑音下聴取時の瞬目数の変化に関する基礎実験や,教育実践場面での実践研究を行った。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は,小児のListening effortを扱った研究は少なく,実験室での検討が困難であるという課題が指摘される中で,スマートアイグラスを使った計測を行い日常場面における評価の可能性を見出した。研究期間が短ったこともあり,基礎的検討までで終わったという課題は残るものの,これまで限界があるとされていたListening effortの新たな評価法について言及できたという点で,学術的・社会的な意義が高いと言える。本研究成果について,日本を中心にオンデマンド動画プログラムを通して広く公開したことで,国内においてListening effortの概念が広がった点も社会的な意義が高いと言える。
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