研究課題/領域番号 |
20KK0287
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研究種目 |
国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(A))
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分80030:ジェンダー関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
丸山 里美 京都大学, 文学研究科, 准教授 (20584098)
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研究期間 (年度) |
2021 – 2023
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,760千円 (直接経費: 5,200千円、間接経費: 1,560千円)
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キーワード | 貧困 / ジェンダー / 世帯内資源配分 / 世帯 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、第一に、世帯を単位とした従来の貧困把握の方法では見えなくなってしまう世帯内に隠れた貧困について、「消費生活に関するパネル調査」のデータを分析することによって、日本におけるその実態を実証的に把握する。その際、この方法論を長く検討してきた海外の研究者と共同で行う。第二に、従来の貧困研究の方法とその背後にある貧困概念を、ジェンダーの視点から問い直す理論的検討を行う。女性が世帯内で経験している不平等とそれゆえに生じる困窮状態を把握するためには、世帯単位で貨幣資源を把握するという従来の貧困研究の手法とその背後にある貧困概念を再検討する必要がある。
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研究成果の概要 |
英語圏では、貧困研究の分野において、世帯を一体のものとはせず、そのなかでの資源配分を把握しようとする研究群が存在している。最近では、従来の世帯を単位にする方法ではなく、個人を単位に貧困を把握する方法が開発されており、これらの研究の系譜と到達点を整理した。一方、日本においては、世帯内の資源配分を把握しようとしていたのは、過去の家計研究だが、貧困研究とは結びついていない。これらの研究の系譜と到達点を確認し、日本の世帯内資源配分の実態とその研究の特徴を、国際的に位置づける作業を行った。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
貧困研究においては、世帯を単位に貧困が把握されることが一般的だが、女性の貧困はそれでは見えなくなってしまいがちであること、その問題を解消するために、新たにどのように貧困を把握できる可能性があるかについて、日本ではほとんど知られていなかった。世帯内における資源配分の不平等を把握しようとする本研究は、世帯を単位にしてきた従来の貧困 研究の方法論を刷新する可能性を持ち、貧困概念やその捉え方をジェンダー視点から豊富化させる理論的観点からその重要性を位置づけることができる。くわえて、見えにくい女性の貧困の実態を可視化させることにつながるものである。
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